著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

ドミニカ共和国の大リーガー育成システムに漆黒の闇

公開日: 更新日:

 メジャーリーグでは現在、85人のドミニカ人選手が活躍しており、同国の野球熱の高さは、日本でも度々報じられている。

 しかし、テレビなどで語られるのは表面の部分だけで、裏面からは漆黒の闇が見えてくる。

 ドミニカ共和国の野球選手育成システムは独特だ。グラブさえ買ってやれない貧困家庭が多いため、野球少年たちは11~13歳で学校をドロップアウト。ブスコンと呼ばれる有望選手育成業者が運営する施設で、食事と用具を支給されながら野球漬けの生活を送ることになる。ここで、鍛えられた野球少年はメジャーリーグと契約が可能になる16歳の誕生日が来ると、各球団の入団テストを受け、16歳か17歳でプロ入りする。契約金は大半が数千ドルから数万ドル程度である。しかし、抜きんでた才能がある者は、13歳ないし14歳くらいからスカウトたちに注目され、16歳になってすぐに100万ドルを超す契約金でプロ入り、というコースをたどる。ブスコンは契約金の25~50%を持っていくので、契約金が100万ドルを超す有望株を多数、育成できれば大いに潤うことになる。

■社会の最底辺に組み込まれる

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」