まさかの5連勝 稀勢の里“ケガの功名”で身につけた慎重相撲

公開日: 更新日:

 序盤のヤマ場は乗り切った。横綱稀勢の里(32)が初日から5連勝。5日目は正代に攻めさせず、冷静な相撲で堅実に勝利した。

 これにはある親方も「横綱は落ち着いていた」と、こう続ける。

「稀勢の里は立ち合いこそ左を差せなかったが、差し手争いで右上手を取った。そのまま寄り切ろうとするも、土俵際で正代が起死回生の投げに出た。正代は土俵際での粘り、逆転技に優れた力士。さらに、左から投げを打ちながら、右を差そうとしていた。稀勢の里はそうした正代の動きが見えていたのでしょう。だからこそ、投げをこらえると右を差される前に、即座に体を開いて上手投げを繰り出した。言ってみればカウンター気味に投げられた正代は、ひとたまりもなかったはずです」

 支度部屋では「一日一日、集中してやっている」と、毎度おなじみのコメント。しかし、「相撲勘が戻ってきたか?」という報道陣の質問には、「そうっすね」とそっけないながらも、何かを確信した様子だった。

■土俵際では細心の注意

 大関時代の稀勢の里は、左差し一辺倒。しかし、それだけでは限界があり、左のおっつけを覚えて横綱に昇進を果たした。ただし、それで相撲がうまくなったかといえば、そんなことはない。力任せの強引な攻めが多く、むしろ相撲下手として知られていた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち

  4. 4

    YouTuber「はらぺこツインズ」は"即入院"に"激変"のギャル曽根…大食いタレントの健康被害と需要

  5. 5

    クマと遭遇しない安全な紅葉スポットはどこにある? 人気の観光イベントも続々中止

  1. 6

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲

  4. 9

    「渡鬼」降板、病魔と闘った山岡久乃

  5. 10

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が