史上最弱横綱・稀勢の里 引退した途端“英雄扱い”の違和感

公開日: 更新日:

稀勢の里が横綱として短命に終わり、晩節を汚す結果になってしまった原因はスポーツマスコミにもあると思う」

 好角家の人事コンサルタント、菅野宏三氏がこう言って続ける。

「稀勢の里は『2場所連続優勝、あるいはそれに準じる成績』という昇進基準を満たさずに横綱になった。結果的にこれが稀勢の里を苦しめることになったわけです。大関で精進を重ね、本当の力をつけてから昇進していれば、こんな不幸なことにならなかったと思う。長く不在だった和製横綱の誕生を待望する相撲協会や横綱審議委員会によって『つくられた横綱』という背景を、スポーツマスコミは批判せず、一緒になって盛り上げた。力士寿命を縮めることになった17年春場所での大ケガも、負傷を押して土俵に上がることに警鐘を鳴らさず、むしろ美談に仕立てて報道しました。メディアに必要なのはお涙ちょうだいではなく批判的視点です。稀勢の里の引退を惜しむだけではなく、なぜこうなってしまったのか、厳しく指摘する必要があります」

 まったくだ。そうでなければいずれ、「史上最弱横綱」の汚名を着る稀勢の里のような“被害者”がまた出る。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動