敗れた阿炎も術中に?横綱白鵬は“ぬるぬる胸”が隠れた武器

公開日: 更新日:

 殊勲の汗が光った。

 横綱白鵬(34)が大相撲7月場所初日、阿炎を下して白星発進。「あわや」という内容ながら、落ち着いて気鋭の小結を下した。

 過去の対戦成績は白鵬の1敗。昨年5月場所ではリーチの長い阿炎の突き押しに苦杯をなめさせられた。この日も立ち合いで喉元にもろ手突きをくらうと、防戦一方。しかし、何度目かの突きが滑った阿炎は勢いのままつんのめり、白鵬との距離を縮めてしまった。

 こうなると形勢逆転。慌ててまわしを取りにくる阿炎を、白鵬が落ち着いてはたき込んだ。

 相撲巧者の白鵬の前では、ひとつのミスが命取りになる。それは間違いではないのだが、ある親方は「そのミスをさせたのは誰か、ということですよ」と、こう続ける。

「阿炎は馬力に優れる半面、相撲は雑。勝ち急いでしまった面はあるでしょう。でも、気になったのが白鵬の汗ですよ。白鵬は時間いっぱいになっても、胸元の汗は決してぬぐわない。せいぜい、顔や腹あたりを拭き取るくらいです。これには多くの力士が、『白鵬関への突きは汗で滑る』と口を揃えている。白鵬は突き押しの力士を苦手にしているから、あえて汗をそのままにしているのではないか。阿炎の突きも、ずるっと滑っていましたからね。本来、立ち合い前に汗を拭くのは常識だし、礼儀のはずですが……」

 そういえば、中継の解説を務めていた北の富士氏は立ち合い直前、ボソッと「白鵬、汗拭いたかな?」とつぶやいていた。

 ネットではぬるぬる滑ることから「ヌル鵬」の蔑称もある白鵬。ウナギのごとく掴みどころのない相撲で、賜杯を掴むつもりだろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘