著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

“国境なき選手団”がゆえ…東京五輪400mリレーが抱える難題

公開日: 更新日:

 テニス大坂なおみがロサンゼルス・ドジャースの始球式で久々の笑顔を見せた。バスケットボール八村塁はナイキ社のジョーダン・ブランドと契約を発表。日本陸上選手権ではサニブラウン・ハキームがスプリント2冠を手にした。私は彼らを“国境なき選手団”と呼んでいる。

 出自が多国籍だからではない。野球では野茂英雄から大谷翔平まで、サッカーなら中田英寿から久保建英まで、競技活動が「代表」に優先されない域に達した選手は“国境なき”と考えた方がいい。

 たとえば、東京オリンピックで期待される男子400メートルリレーだ。

 先週、ロンドンで開かれたIAAFダイヤモンドリーグ第10戦、小池祐貴が日本選手としては3人目の9秒台、9秒98を出した。400メートルリレーでも2走として出場し、37秒78は日本歴代3位。100メートルの世界記録はウサイン・ボルトの9秒58だが、リレーなら日本選手でも1人平均9秒45で走れるのだ。

 日本の男子リレーは既に北京、リオでオリンピックの銀メダルを獲得している。それは桐生祥秀が10秒を切る以前の話で、9秒台を3人も持つ今、来年の東京大会で狙うのは金メダルしかない。だが、そううまくいくだろうか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず