著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

シャークダンス、ラクダ、キャベツ…大リーグのゲン担ぎは

公開日: 更新日:

 18年のスプリングトレーニングでは、監督のデーブ・マルティネスが地区シリーズで敗退した前年の失意という「こぶ」を視覚的に乗り越えるという名目で、ラクダを連れてきている。また、15年から16年にかけては、試合に勝つたびに、報道陣の取材を受ける選手らにハーシーズのチョコレートソースをかける「儀式」が行われていた。今季も試合に勝った後にクラブハウスで選手たちがキャベツを手渡しし、最後に受け取った選手がキャベツを床に叩きつけていた。発案者は三塁コーチのボブ・ヘンリーで、2月のスプリングトレーニングから始まった新しい「儀式」だった。

 しかし、一部の選手から「キャベツをこんなふうに扱うのは初めて見た」という声も聞かれた「キャベツリレー」は、いつの間にかナショナルズのダッグアウトから姿を消している。

 パーラは来季から読売ジャイアンツに加入する。そのため「シャークダンス」も姿を消すと思われるかも知れない。しかし、大リーグを含め、スポーツ界では選手や経営者、そして観客も「ゲン担ぎ」を重視する。1987年にワールドシリーズを制覇したツインズでは、観客が白いハンカチを回す「ホーマー・ハンキー」を編み出し、前年の6位から大躍進した選手たちを応援した。そして、今や「ホーマー・ハンキー」は大リーグを代表する応援のひとつとして人々に親しまれている。

 それだけにパーラが抜けた後も「シャークダンス」は「ワールドチャンピオンをもたらした応援方法」として、ナショナルズパークの名物となることであろう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が獲得に乗り出す」の怪情報

  2. 2

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    草間リチャード敬太“全裸騒動”にくすぶる「ハメられた」説…「狙った位置から撮影」「通報が早い」と疑問視する意見広がる

  5. 5

    維新の「議員定数1割削減」に潜む欺瞞…連立入りの絶対条件は“焼け太り”狙った露骨な党利党略

  1. 6

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  2. 7

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  3. 8

    「これが寝るってことだ」と感激…女優の岡崎友紀さん変形性股関節症との苦闘

  4. 9

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  5. 10

    公然わいせつ容疑で逮捕→釈放も“連帯責任”…Aぇ! group草間リチャード敬太の芸能界復帰はイバラの道