著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

ブルージェイズ積極補強の真の狙い…強くなればなるほど通信事業手掛ける親会社は大儲け

公開日: 更新日:

 ロジャース・コミュニケーションズ(RCI)のスポーツ界での取り組みが活発だ。

 例えば、米国4大プロスポーツの一つであるNHLとは、2037-38年シーズンまでのカナダにおける独占放映権を含む戦略的パートナーシップ契約を結んでいる。

 スポーツ関連の売り上げは本業である通信事業の4分の1と少ない。しかし、放送事業を含めた総合エンターテインメント企業を目指すRCIにとって、カナダの国民的競技であるアイスホッケーの最高峰NHLとの関係の深化は、自社の存在感を高めるためにも有効な手段である。今年7月にNHLの古豪トロント・メイプルリーフスを経営するメイプルリーフ・スポーツ・アンド・エンターテインメント(MLSE)を買収して筆頭株式となり、26年中にMLSEの全株式取得を目指しているのも、こうした経営戦略を反映している。

 一方、2000年以来RCIが所有しているのがブルージェイズである。モントリオール・エクスポズが04年でワシントンに移転したことで、ブルージェイズは米国以外では唯一の大リーグ球団となった。RCIの最高経営責任者であるトニー・スタッフィエリが「自社のブランド力の向上、視聴者へのケーブルテレビやサービスの訴求力という点で、相乗効果は明らか」と指摘するように、ブルージェイズは同社のスポーツ事業の中核をなしている。

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