ブルージェイズ積極補強の真の狙い…強くなればなるほど通信事業手掛ける親会社は大儲け
ロジャース・コミュニケーションズ(RCI)のスポーツ界での取り組みが活発だ。
例えば、米国4大プロスポーツの一つであるNHLとは、2037-38年シーズンまでのカナダにおける独占放映権を含む戦略的パートナーシップ契約を結んでいる。
スポーツ関連の売り上げは本業である通信事業の4分の1と少ない。しかし、放送事業を含めた総合エンターテインメント企業を目指すRCIにとって、カナダの国民的競技であるアイスホッケーの最高峰NHLとの関係の深化は、自社の存在感を高めるためにも有効な手段である。今年7月にNHLの古豪トロント・メイプルリーフスを経営するメイプルリーフ・スポーツ・アンド・エンターテインメント(MLSE)を買収して筆頭株式となり、26年中にMLSEの全株式取得を目指しているのも、こうした経営戦略を反映している。
一方、2000年以来RCIが所有しているのがブルージェイズである。モントリオール・エクスポズが04年でワシントンに移転したことで、ブルージェイズは米国以外では唯一の大リーグ球団となった。RCIの最高経営責任者であるトニー・スタッフィエリが「自社のブランド力の向上、視聴者へのケーブルテレビやサービスの訴求力という点で、相乗効果は明らか」と指摘するように、ブルージェイズは同社のスポーツ事業の中核をなしている。


















