キヨと元木に「原さんの後に胴上げするから」と言われ…
肉体改造をして臨んだ2000年、キヨ(清原和博)は、雪のオープン戦で左太ももの肉離れで戦線離脱。開幕は二軍となり、復帰後はマルティネスと併用された。首脳陣に対して不満をモロに顔に出す場面が目立つようになり、私はそのたび、部屋に行ってキヨをたしなめた。
「ウチは勝たなきゃいけないチーム。キヨの今までの数字からすれば我慢できないかもしれない。プライドが傷つくことがあるかもしれない。でも、監督だってベストを考えてやっているんだ」
「それは分かっているんですけど……」
そう言いながらポロポロ涙を流すこともあった。
故障をした悔しさはもちろん、野球を始めてこれまで競争などなかっただろう。それがこの年、スタメンから外されるという屈辱を味わった。
西武の時は負けてもとやかく言われなかった。それが巨人では「チャンスで打てなかった」と新聞に書かれ、敗因を背負わされた。大々的に解説もされる。