著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

瓦解するMGC メンツと忖度でねじれた東京マラソンの行く末

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い26日、安倍総理は大規模なスポーツ、文化イベントの開催中止または延期を要請した。

 多くのコンサートが即日中止、プロ野球はオープン戦72試合の無観客試合、Jリーグは公式戦94試合の延期を決めている。その最中の3月1日、東京マラソンは行われるのだろうか。マラソンに無観客試合などはない……。

 主催の東京マラソン財団は17日、一般参加の出場中止を決め、同時にエリートによるレースのみ実施すると発表した。

 東京の1週間後の名古屋ウィメンズマラソンもそうだが、エリートレースだけ残した理由は陸連のメンツだ。昨年9月、オリンピックの代表選考会のMGCで男女2人ずつを決め、残る1人の選考が2大会にかかっている。中止すれば、陸連が自画自賛する選考方式MGCは瓦解する……苦渋の決断にしても、この中途半端の代償は大きい。

 東京マラソンが掲げた「東京が一つになる日」という崇高な看板が反故になったのが残念だ。また、一般参加者に参加費(約1万6000円)が返金されないことが問題になった。コンサートの入場料と違い、参加費は舞台設定の委託費。突発事故で返金しないのは仕方がないが、レースは中止ではなく、「走らせない」ということ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  2. 2

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  3. 3

    ヤクルト青木“GM”が主導したバランスドラフトの成否…今後はチーム編成を完全掌握へ

  4. 4

    森下千里氏が「環境大臣政務官」に“スピード出世”! 今井絵理子氏、生稲晃子氏ら先輩タレント議員を脅かす議員内序列と評判

  5. 5

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  1. 6

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  2. 7

    高市首相が狙う悪夢の“強権官邸”復活…安倍時代の再来へ「経産-警察ライン」で恐怖政治

  3. 8

    最終盤の宮城県知事選は仰天の展開! 高市首相応援の現職vs昭恵さん&参政党支援の元自民議員でデッドヒート

  4. 9

    小川晶市長「ラブホ密会」の震源地…群馬・前橋市のナイトスポットで“まさかの声”続出

  5. 10

    タレント出身議員の“出世頭” 三原じゅん子氏の暴力団交遊疑惑と絶えない金銭トラブル