著者のコラム一覧
六川亨サッカージャーナリスト

1957年、東京都板橋区出まれ。法政大卒。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年にサカダイを離れ、CALCIO2002の編集長を兼務しながら浦和レッズマガジンなど数誌を創刊。W杯、EURO、南米選手権、五輪などを精力的に取材。10年3月にフリーのサッカージャーナリストに。携帯サイト「超ワールドサッカー」でメルマガやコラムを長年執筆。主な著書に「Jリーグ・レジェンド」シリーズ、「Jリーグ・スーパーゴールズ」、「サッカー戦術ルネッサンス」、「ストライカー特別講座」(東邦出版)など。

JFAが支援制度創設…今こそサッカー界の底力に期待したい

公開日: 更新日:

 この<スピード感>については、Jリーグの村井満チェアマンに軍配が上がると言わざるを得ないが、これは<公益財団法人のJFAの場合、理事会やと評議員会を経ないと正式に承認されたことにはならない>ことも決して無関係ではない。

 たとえば、村井チェアマンは2月25日にJリーグの延期を<チェアマン権限>で決定し、それから実行委員会と理事会の追認を受けた。元JFA副会長で不世出のストライカーでもある釜本氏が「協会は理事会の決定と評議員会の承認を経ないと正式に決められないのでどうしても時間がかかる」と話していたものだが、チェアマンの権限はJFA会長よりも強くて広範囲なのである。

 この点に関しては、Jリーグ創設に尽力して専務理事などの要職を務めた木之本興三氏(故人)が、日ごろから「Jリーグ・チェアマンの権限を広げ過ぎた。それを行使するか、はあくまで個人の裁量となるが、それにしても個人に委ねる部分が多くなったことの危険性もあった」と憂慮していたものであるーー。

 ともあれ、田嶋会長は「サッカー協会もキャッシュフロー(実収入)が足りるかどうか、分からないが、連盟本体のサポートやJクラブも支援しないといけない。この1カ月が重要なのでスピード感を持って立ち上げた」とJFAファミリー支援事業(仮称)の創設理由を語り、そこに<スピード感>を盛り込むことを忘れなかった。

 サッカーファミリーに救済の手を差し伸べることができるのはJFAであり、そしてJリーグではないだろうか。新しい試みに期待しつつ、その際に出てくる問題点の対処も含め、今こそサッカー界の底力に期待したい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃