「走れ!」偵察に来た王監督は西武の選手に声を張り上げた

公開日: 更新日:

 11月21日の土曜日からプロ野球の日本シリーズが行われる。

 ソフトバンク巨人の対戦だ。かつては日本シリーズ進出を決めたチームの首脳陣や選手が、相手チームの試合を偵察に行くことがよくあった。1987年(昭和62年)、セ・リーグは巨人がリーグ優勝。10月13日に西武球場(現メットライフドーム)に王監督をはじめ、コーチ、選手、スカウトなど総勢47人が西武の偵察に訪れた。生で試合を見て、肌で西武というチームを感じ取るためだ。西武の対戦相手は南海(現ソフトバンクホークス)だった。

 試合開始当初はスタンドで見ていた王監督が、途中から1階の記者席に移動してきた。三回裏だったと記憶している。西武の攻撃で一死一塁から金森が左翼線にヒットを放った。その時である。椅子に座って、試合を見ていた王監督がガバッと立ち上がった。そして「走れ!走れ!」と声をあげたのだ。腕を振り回さんばかりにして。一塁走者の清家は二塁、三塁を回って一気に同点のホームを踏んだ。

 記者席になんとも言えない空気が漂った。王監督にとって西武の勝敗は関係がない。西武はどんな野球をするのかを探るが目的だ。王監督自身、偵察前は「だいたいの輪郭をつかみたいね」と話していた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  3. 3

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  3. 8

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  4. 9

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」

  5. 10

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  3. 3

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  4. 4

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  5. 5

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  1. 6

    12月でも被害・出没続々…クマが冬眠できない事情と、する必要がなくなった理由

  2. 7

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  4. 9

    黄川田地方創生相が高市政権の“弱点”に急浮上…予算委でグダグダ答弁連発、突如ニヤつく超KYぶり

  5. 10

    2025年のヒロイン今田美桜&河合優実の「あんぱん」人気コンビに暗雲…来年の活躍危惧の見通しも