著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

バイデン新政権の「大企業規制」に球団経営者は戦々恐々

公開日: 更新日:

 現在、米国にとって最大の懸案事項となっているのは対中関係、特に貿易問題だ。

「米国第一」を掲げ国外に移転した産業の拠点を米国内に回帰させる政策を掲げたトランプが一部の中国製品に高関税を課すと、中国側も対抗措置として米国の対中輸出品に報復関税を設定してきた。

■貿易面での米中関係は極端な変化なし

 こうした米中の対立は、政権の交代によっても直ちに解消されることはない。むしろ、民主党の支持基盤である労働組合にとっても、米国内に生産拠点が回帰することは好ましい。なぜなら中国や他国に工場が移転したことで空洞化が起きた米国の産業界を活性化させるためには、雇用の創出が不可欠であり、トランプの対中強硬策は一定の効果を残したからだ。こと貿易面での米中関係は、政権の主がトランプからバイデンに代わっても極端な変化を起こしにくい。

 一方でバイデンは民主党左派のアレクサンドリア・オカシオ=コルテスやバーニー・サンダースらの協力もあって当選を確実としただけに、富裕層や大企業への課税やIT企業、金融機関への規制の強化といった左派の主張する政策を真剣に検討せざるを得ない。

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