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西村徳文野球解説者

1960年1月9日、宮崎県生まれ。右投げ両打ち。福島高(宮崎)、国鉄鹿児島鉄道管理局を経て、81年ドラフト5位でロッテ入団。プロ通算16年で首位打者1回、盗塁王4回。二塁と外野でそれぞれベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞。97年現役引退後、ロッテでヘッドコーチなどを歴任し2010年監督就任。1年目にリーグ3位から日本一を達成した。16年からオリックスでヘッドコーチ、19年から監督を務め、昨季限りで退団。

伝説の10.19ダブルヘッダー 近鉄V阻止「最後の5秒」の記憶

公開日: 更新日:

 結果的に1敗1分けで、近鉄の優勝を阻止したこの日、私は2試合ともに「1番・二塁」でフル出場した。特に鮮明に覚えているのは第2試合。4対4の同点で迎えた延長十回表、1死一塁の場面で、打者・羽田耕一さんの二塁ゴロをさばき併殺を完成したシーンだ。

■「私の頭の中ではいろんなことが駆け巡る」

 試合はすでに、4時間を超えていた。この十回で試合が終わる。私はゴロを捕ってそのまま二塁ベースを踏み、一塁へ送球。ロッテの負けがなくなったと同時に、近鉄の優勝が消滅した。

 このワンプレーは、時間にすれば羽田さんが打ってから5秒ほどの出来事にすぎない。2試合計7時間33分という時間の中で、ほんの一瞬の出来事だったけれど、私の頭の中ではいろんなことが駆け巡った。

「絶対にエラーをしてはいけない」

「打球は二塁キャンバス寄りだ。これならゲッツーが取れるな」

 そして打球を捕ってそのまま二塁を踏み、一塁へ送球する瞬間、「近鉄の優勝がなくなるな」と思った。

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