五輪選手らを選手村と会場に“閉じ込める”政府案の浅はかさ

公開日: 更新日:

 第二次世界大戦の最中に厳しい監視の下で行われた、連合国軍兵士とドイツ選手とのサッカーの試合を描いた米映画「勝利への脱出」(ジョン・ヒューストン監督)ではあるまいし、常に行動を監視される五輪大会に誰が参加したいと思うのだろうか。

 加藤官房長官は14日の衆院内閣委で、東京五輪パラリンピックの参加選手に対する行動管理に言及。「ルールに反した場合、大会参加資格を剥奪するなど厳しい措置を講じることで、アスリートや日本国民の皆さんをお守りする」と強調した。

 東京五輪の参加選手や関係者の行動管理をめぐっては、13日の参議院内閣委員会でも、丸川五輪相が新型コロナの感染予防策の実効性を高めることを目的として、選手村の食事会場などに監視員を置くことを明言。「息苦しい思いをすることになるかもしれないが、お互いのコンディションを守ることにつながる」と説明していたが、配置された監視員は「黙食」などと書かれた看板を掲げ、マスクを外しておしゃべりしながら食事をする選手らに対して笛でも吹いて注意を促すのだろうか。

 そのような窮屈な状態が続けば、アスリートのコンディションを守るどころか、かえってベストなパフォーマンスを発揮するのが難しくなるだろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった