バッハIOCが粛々と進める五輪強行準備 日本の世論ガン無視

公開日: 更新日:

 延期されてきたXデーが決まった。

 国際オリンピック委員会(IOC)がバッハ会長の来日予定日を7月12日と発表した。東京五輪開幕の約10日前となる。それに先立ち、コーツ調整委員長は6月15日に日本へ入るという。

 新型コロナウイルスの感染拡大は収束にはほど遠く、開催地の東京では緊急事態宣言が発令中。医療の逼迫、ワクチン接種の遅れと深刻な状況が続き、国内世論調査では5割以上が開催に反対している。国立競技場や新橋では中止を訴えるデモも行われた。

 そんな中、来る「7.23」に向け、粛々と準備の進捗をアピールしているのがバッハ会長である。19日から始まった五輪開催準備を確認する調整委員会の冒頭で「IOCはすべての人たちのために安全な形で大会を運営することに完全に注力している」と宣言。IOCが各国オリンピック委員会(NOC)の医療スタッフを日本へ追加派遣すると表明した。「日本国民の安全を守るためです」と“安心安全”な東京五輪の開催を印象付けていた。

「ただ医療スタッフを増やすだけでは意味がない。病床やコロナ患者に必要な医療機器の確保も必要不可欠。IOCはそこまで『面倒』を見てくれない。ワクチンにしてもそうです。IOCが日本の代表選手や関係者に無償提供することで“優先接種”が決まった。高齢者への接種が遅れている中で、選手団の接種は6月にも始まる。選手に向けられるアスリート優遇の批判は頭にないのでしょう。五輪強行のためのアリバイづくりに邁進している印象が拭えない」(競技団体関係者)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • その他のアクセスランキング

  1. 1

    カーリング女子フォルティウス快進撃の裏にロコ・ソラーレからの恩恵 ミラノ五輪世界最終予選5連勝

  2. 2

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  3. 3

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  4. 4

    【徹底分析】2027年ラグビーW杯組み合わせ決定 日本悲願の「8強入り」をプロが占った

  5. 5

    カーリング「ロコ・ソラーレ」代表落ちでも大人気!《SNSの投稿はまるでアイドル》の指摘も

  1. 6

    マラソン大迫傑を快速にするチャイナマネーパワー…日本記録“1秒更新”に「ボーナス狙い」の声も

  2. 7

    広陵高の暴力問題が話題だが…私は世羅高3年で主将になって、陸上部に蔓延する悪習を全て撤廃した

  3. 8

    私には女子陸上界の構造改革という壮大な夢がある…「ずっと続けたい」と思わせる魅力ある場所へ

  4. 9

    ロコ吉田知那美が初代アジア主将に選出も…カーリング世界初のプロリーグ参加に高すぎるハードル

  5. 10

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」