白鵬が白星発進も内容は“力負け完敗” 復活どころか引退へ秒読み着々
横綱の帰還、そして復活――と言うには程遠い相撲だった。
4日、2年ぶりに名古屋で開催となった大相撲7月場所。今年3月場所以来の出場となった白鵬(36)は結びの一番で明生と対戦し、掛け投げで白星発進となった。しかし、中継を解説した北の富士氏が「不安は大きくなった。明日から逆に心配」と話したように、内容は白鵬の完敗だ。立ち合いで右の張り手を飛ばしてがっぷり四つになったはいいものの、得意の右四つではなく左四つ。それでもかつての白鵬なら得手不得手関係なく、明生を料理しただろう。
だが悲しいかな、今の白鵬にその力はない。左右に振るも通じず、吊って体を入れ替えようとするも不発。明生の寄りになすすべなく土俵際へと追い込まれ、右からの外掛けを、掛け投げで返すことで何とか勝ちを拾った格好となった。
勝った瞬間は感無量といった表情で、思わずガッツポーズまで見せた白鵬。かつての余裕はみじんもなく、向正面で解説した舞の海氏も「完全に明生に力負けしていた」と話したほどだ。
進退のかかる今場所は内容次第では引退不可避。取組後は「ただいま、という感じ。勝った瞬間の表情? それは千秋楽に話します」と言ったが、果たして15日間戦えるかどうか……。