著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

マラソン世界記録保持者キプチョゲの計算ずく五輪圧勝が象徴…日本と世界の「彼我のズレ」

公開日: 更新日:

 オリンピックの閉会を待っていたかのように台風が襲い、記録的豪雨が続き、いつ来たか分からなかった選手たちはいつの間にかいなくなった。レガシーという言葉も聞かなくなったが、TOKYO2020は確かに時代の移ろいを反映していた。最終日の男子マラソンが印象的だった。

【写真】この記事の関連写真を見る(18枚)

 勝ったケニアのエリウド・キプチョゲは2時間1分39秒の世界記録保持者。19年秋には非公認ながら2時間切りをやった実力者だから当然の結果ともいえるのだが、自信に満ちたレース展開がマラソンの現実を物語った。

 午前7時、スタート時の気温26度、湿度80%と、厳しい条件は想定通り。106人中30人が棄権し、完走率72%はこれまでになく低かった。2時間8分38秒の好タイムで圧勝したキプチョゲは終始、先頭集団の2列目に位置し、ハーフまで5キロ=15分30秒台。25キロから15分7秒にギアを上げ、30キロから14分28秒―14分56秒に加速して独走態勢に入っている。五輪と世界選手権はペースメーカー不在だが、一般レースと変わらぬ計算通りの走りだった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する