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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

マラソン世界記録保持者キプチョゲの計算ずく五輪圧勝が象徴…日本と世界の「彼我のズレ」

公開日: 更新日:

 この状況を踏まえたもうひとりが大迫傑だ。大迫はキプチョゲの仕掛けを読んでいただろう。先頭集団の後方につけてマイペースを保ち、30キロから落ちてくる選手を拾う……一時はメダル圏内をうかがって6位入賞を手にした。40キロからの残り2.195キロは、キプチョゲが6分43秒、大迫は7分11秒。力の差を織り込んだ冷静な作戦は、単身ケニアに乗り込んで現実を体感した成果だ。

 中村匠吾、服部勇馬は惨敗した。どの国にもそれぞれ事情があり、日本選手が恵まれていたわけではない。1年の延期とプレッシャーは他にない重い壁で、明らかになったのは世界とのズレだ。この暮れ、びわ湖毎日マラソンに続き福岡国際も伝統の幕をおろす。その意味でも象徴的なレースだっただろう。

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