“トイレ男”チチパスにコーチング疑惑が浮上 テニス界のルール違反はそれでもなくならない

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 トイレ休憩が物議を醸している。

 先月30日に開幕したテニス全米オープン(OP)の初戦に勝ったステファノ・チチパス(23)が8分間のトイレットブレークを取った。これに、対戦相手のアンディ・マリー(34)が「長すぎる」と批判したのだ。

 チチパスは先月のウエスタン&サザンオープン準決勝でも7分間、コートから離れてトイレ休憩。このときの対戦相手だったアレクサンダー・ズべレフ(24)は「毎試合起きている。彼が10分以上コートを離れている間、(コーチを務める)彼の父親は携帯でメールをしていた。戻ってきたら作戦がガラっと変わった」と禁止されているコーチング疑惑を口にした。騒動が拡大すれば、これを機に携帯電話の持ち込み禁止や、違反した場合の罰金、出場停止などのペナルティーが科されることになるかもしれないとの声も出ているが、果たしてそれが抑止力になるのかどうか。

 例えば、ラケットの破壊には数万円から数百万円の罰金を科されるが、試合では破壊行為が頻発。平然とルールが破られるのは、あまりにも収入が多すぎるからだ。米経済誌フォーブスによると、今年の全米OP前までの12カ月間で最も稼いでいるのはフェデラーの9060万ドル(約99億6600万円)。大坂は6010万ドル(約66億1100万円)。「トイレ男」チチパスも810万ドル(約8億9100万円)を稼いでいる。

 数万ドル程度の罰金では抑止力にならず、数カ月の出場停止を食らっても生活に困ることはない。トップ選手はルールを破ってでも勝利を目指すはずである。

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