アーチェリー男子個人・団体「銅」古川高晴<2>レジェンドを狂わせた大会直前の1カ月間

公開日: 更新日:

古川高晴(37歳、アーチェリー男子個人・団体、銅メダル/近大職員)

「これまでに経験したことがない、最悪の滑り出しでした」

 2004年のアテネ五輪から5大会連続出場となった古川は、トーナメントの組み合わせを決める初日の「ランキングラウンド」で、まさかの46位。試合中はパニック状態に陥っていた。

 普段なら矢を放った瞬間、感覚的に点数が分かるのだが、この日はその感覚が失われていたからだ。

 原因は大会前の1カ月間にあった。

「6月7~12日の間、アジアカップで韓国に遠征しました。そこで得たものもありましたが……、その後に大誤算が起きたのです。帰国してからホテルとナショナルトレーニングセンター(NTC)のみの往復で、2週間の隔離生活。出国前は『NTCで十分な練習ができる』と聞いていたけど、フタを開けたらまったく違いました」

 NTCのアーチェリー場は五輪とパラリンピックの日本代表、エリートアカデミーの選手ら3グループによって使われていた。大会を目前に控える五輪の日本代表勢はそこを融通してもらい、朝から晩まで矢を射るつもりだったのだが、「たとえば、午前中だけしか利用できなかったり、練習時間が極めて制限されていた」という。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    長瀬智也が国分太一の会見めぐりSNSに“意味深”投稿連発…芸能界への未練と役者復帰の“匂わせ”

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  3. 8

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  4. 9

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 10

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…