米ワールドシリーズで目立つ小刻み継投 先発の投球回数が6回に満たないウラ側
アストロズとブレーブスのワールドシリーズは、ブ軍の3勝2敗。第6戦は舞台をア軍の本拠地ヒューストンに移して日本時間3日に行われる。両チームによる頂上決戦で目立つのは小刻みな継投だろう。
中でも顕著なのは、両チームとも、先発にさっさと見切りをつけてしまうことだ。ここまで5試合で、ともに先発の最長投球回数は5回。たとえ得点を与えていなかろうと、リリーフにバトンを渡している。
先発の投球回数が少ないのは、短期決戦のプレーオフに限らない。今季のレギュラーシーズンで、200回以上投げた先発はわずか4人。コロナ禍で試合数の少なかった昨年はともかく2019年は15人、18年は13人、17年は15人だから、先発の投球回数は明らかに激減している。ア軍のグリンキー、ブ軍のモートン、両エースの今季の平均投球回数は6回に満たない。
「先発の投球回数が少なくなった理由は主に2つあります。ひとつはケガの防止です。メジャーでは年々、球速がアップする一方、肘を痛めてトミー・ジョン手術をする先発が後を絶ちません。負担を少しでも軽減しようという意図です。もうひとつは点を取られる以前に投手を代えてしまおうという意図でしょう。例えばドジャースは原則として、投手に21人以上の打者と対戦させません。ほとんどの投手は打者21~24人目の対戦までに大きな疲労を迎えるというデータがあるからです。リリーフに火消しを託すのではなく、火が付く以前に投手を代えてリスクを回避しようという考え方がメジャー球団に浸透しているのですよ」とは、米紙コラムニストのビリー・デービス氏だ。