“勝ちたい”大谷が補強を要望…エ軍「鷹マルティネス&阪神スアレス」のW獲得あるぞ

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 投手陣再建が急務な大谷翔平(27)のエンゼルスが日本球界に目を向けている。

 日本で結果を残した助っ人外国人投手2人に白羽の矢を立てたというのだ。

 今季のエ軍は投打の二刀流をこなした大谷以外は先発、リリーフとも崩壊状態。故障者が続出したこともあり、規定投球回数に達したローテーション投手は皆無で、チーム防御率4.69はア・リーグ12位と低迷した。7年連続ポストシーズン(PS)進出を逃したチームの現状に大谷は「ファンやチームの雰囲気は好きです。ただ、それ以上に勝ちたい気持ちが強い。プレーヤーとしてはその方が正しいのではないか」と、フロントを牽制した。

 ペリー・ミナシアンGMは「今年は投手が十分でなかったのは明らかだ。投手が優先事項になる」と、投手中心の補強になると明かしている。

■大物投手は二刀流ローテを敬遠

 今オフのFA市場にはドジャースのカーショー(33)、シャーザー(37)、アストロズ・グリンキー(38)らサイ・ヤング賞受賞経験者の他、リリーバーでは17年セーブ王のドジャース・ジャンセン(34)ら好投手が揃う。メジャーでも屈指の資金力を誇るエンゼルスは積極的にFA市場に参戦し、大物取りを狙っているといわれるが決して旗色は良くない。

 大谷は二刀流の負担が大きく、登板間隔は通常の中4日ではなく、最低でも中5日が必要。そのため、先発投手を6人用意しなければならない。加えて、これまで中4日で結果を残してきた実績ある投手は調整法やリズムが狂うためエ軍への移籍を敬遠する傾向があるようだ。大リーグ公式サイトによれば、エ軍が獲得に動くとみられていたシャーザーはド軍との再契約が濃厚だという。

FA市場は停滞の可能性

 スポーツライターの友成那智氏がFA市場についてこう言う。

「コロナ禍による収入減から、今オフは緊縮財政を図る球団が少なくないとみられています。補強に莫大な資金を投じる球団はこれまで以上に限られることから、FA権を取得した大半の選手は、来オフの景気回復を見越して今季の在籍球団から提示された1年1840万ドル(約21億円)のクオリファイング・オファー(QО)を受け入れて残留する可能性が高い。それに現在の労使協定は12月1日に失効しますが、オーナー側と選手会側の話し合いは平行線をたどっていて、結果次第で選手の契約に影響する。今オフの契約を敬遠する選手もいるでしょう。エ軍に限ったことではないが、FA市場で選手を調達しようにも人材が限られるのではないか」

 そんな事情から日本球界に方向転換したエ軍が獲得調査に乗り出しているのは、ソフトバンクの先発右腕ニック・マルティネス(31)、阪神の救援右腕ロベルト・スアレス(30)の2人だという。

 2018年に日本ハム入りしたマルティネスは今季からソフトバンクへ移籍。通算63試合に登板し、21勝22敗1セーブ、防御率3.02。今月24日に帰国し、規定投球回数に達しなかったものの、21試合で9勝4敗、防御率1.60。18試合連続クオリティースタート(QS=6回以上を自責点3以内)を記録するなどエース級の働きで、オリックス山本由伸と最後まで防御率を争った。先の東京五輪では米国代表のエースとして銀メダル取りに貢献。米国の監督を務め、エンゼルス元監督のマイク・ソーシア氏がエ軍フロントに獲得を進言しているとのウワサもある。

日本で大化けしたスアレス

 一方のスアレスは16年にソフトバンクに入団し、通算191試合で7勝13敗、68セーブ。20年に阪神に移籍してからは守護神を任され、今季42セーブをマークし、2年連続セーブ王のタイトルを手にした。マルティネスは今季限りで契約が切れ、スアレスは来季の契約を破棄してメジャー移籍を目指すともいわれている。

「レンジャーズ時代のマルティネスは直球に伸びがなく通用しませんでしたが、日本で大化けした。今季はチェンジアップ、カーブ、スライダーの組み立てで打者を効果的に打ち取っていた。スアレスは最速160キロ超の速球とスプリットを武器としており、マルティネスとともにエンゼルスが触手を伸ばす可能性は十分にあります。マルティネス(今季年俸1億円)は2年約10億円、スアレス(同2億6300万円)は2年約6億円プラス出来高の契約になると思います」(前出の友成氏)

 巨人からカージナルスに移籍したマイコラスは18年に18勝を挙げるなど、日本で経験と実績を積み、メジャーへUターンして結果を残す投手は少なくない。マルティネス、スアレスとも大谷が願うPS進出の原動力になるのかどうか――。

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