広島・鈴木誠也メジャー挑戦確実で「5年50億円」の大争奪戦に! 獲得候補は少なくても7球団

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「球団は希望を受け入れたそうです」

 複数の球界関係者がこう言った。1日、今季の全日程が終了した広島鈴木誠也(27)が今オフ、ポスティングによるメジャー挑戦をすることが確実だという。

 この日は3打数無安打ながら打率.317で2019年以来の2度目の首位打者、最高出塁率(.433)の2冠を獲得。リーグ3位の38本塁打、同4位の88打点の好成績を残した。

 10月29日、本拠地最終戦となったヤクルト戦後には、スタンドのファンに手を振り、同僚選手たちと集合写真を撮影。すでに球団はゴーサインを出しているとみられ、メジャーの複数球団が本格的な獲得調査に乗り出している。

「昨年から元巨人上原浩治氏、妻の畠山愛理氏らが在籍するマネジメント会社に所属。近い将来のメジャー挑戦について、PR活動も行っていたと聞いています。代理人の選定にも動いていて、ダルビッシュや広島の先輩であるマエケンを担当する『ワッサーマン』が有力視されています」

 とは、広島OBだ。

イチローゴジラ松井超えは確実

 今季、6年連続で打率3割、25本塁打以上をマーク。これは王貞治落合博満しか達成していない。通算出塁率も.414と高い上に、昨季までにゴールデン・グラブ賞を4度受賞。「ミート力、長打力、走力、守備力、肩力」とすべてに秀でた「5ツールプレーヤー」と評価する球団もある。加えて、エンゼルスの大谷翔平と同じ27歳と若いため、長期大型契約になることが予想されている。米メディア「Cubs Insider」(カブス・インサイダー)は「7500万ドル(約86億円)相当の契約が見込まれる」と言及しているが、メジャーの各球団はポスティング譲渡金を含めた獲得予算を組むため、「譲渡金を除いた契約総額は50億円以上になる可能性がある」(在米スカウト)という。仮に、総額4000万ドル(約46億円)の契約となった場合、広島への譲渡金は762.5万ドル(約8.7億円)となる。

 現在はMLBと選手会との間で、12月1日に期限切れとなる労使協定の改定を巡って交渉が難航。各選手の契約を左右しかねない情勢だが、一方で、米球界では「来季からナ・リーグの指名打者制の導入が検討されているため、野手の需要が高まる」との見方もある。

 01年にマリナーズ入りしたイチローの3年15億円、03年にヤンキース入りした松井秀喜の3年25億円はもちろん、08年にカブス入りした福留孝介の4年53億円に匹敵する大型契約に発展するかもしれない。

メジャーのFA市場には大物外野手がいない

 では、獲得に乗り出しそうな球団はどこか。

 メジャーに詳しいスポーツライターの友成那智氏は、「打率2割7分、15本塁打、35二塁打を狙える中距離打者で、中レベル以上の出塁率.340程度を期待でき、守備でも高い貢献ができる『1、2番打者』候補として考えられている」とした上で、鈴木へのニーズがありそうな7球団をリストアップ(別表参照)した。

「特にワールドシリーズに進出したブレーブス、日本人選手の獲得に熱心なレンジャーズの関心が高いと考えられます」

 と、友成氏が続ける。

「ブレーブスはロザリオ、ピダーソン、ソレアの3外野手がFAとなり、外野補強は急務となっている。レンジャーズも元巨人のガルシアが右翼のレギュラーとして台頭しましたが、左翼、中堅は補強ポイントです。カイナーファレファ、カルフーンあたりが1、2番を打っていますが、チームとしてもよりレベルが高い打者が欲しいと考えているようです」

■手を挙げる球団はさらに増える

 今オフのFA市場は、10月末に「MLB.com」が選出したFA選手トップ25を見ても、外野手は4人しかおらず、トップ10は投手と内野手で占められた。外野手の最上位はアスレチックスのマルテ(33)の12位だった。

「外野手は例年に比べてビッグネームが不在。13位にランクインしたレッズのカステヤノス(29)は契約が2年(3400万ドル)残っているものの、今オフにオプトアウト(契約破棄)ができる。行使するかどうかは思案中のようです。広島が正式にポスティング容認を表明し、27歳の鈴木がベスト25入りすれば、もっとも若い外野手となります」(友成氏)

 1、2番打者タイプを求めている7球団以外にも、鈴木を「2割8分、25本塁打以上と期待し、3~6番打者として評価している球団もある」(代理人関係者)というから、さらに手を挙げる球団は増えるだろう。

 カープファンにとっては寂しいに違いないが、海の向こうではVIP待遇で迎えられそうだ。

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