日本ハム開幕3連敗でBIGBOSS采配を評論家バッサリ! 新庄監督が迫られる初志貫徹か変節か

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シーズン100敗にも現実味

 この日も及ばなかった。

 新庄剛志監督(50)率いる日本ハムは27日のソフトバンク戦に敗れ、開幕3連敗。「ビシッと3つ落としたんで、さらに気合を入れてもらって、いい試合を北海道のみんなに見せたい」と、29日からの本拠地開幕カードに向けて意気込んだが、球界では「このままでは100敗もありうる」との声すらある。

 新庄監督は「今年は優勝なんか目指しません。1年間はトライアウト」と公言。この福岡3連戦は「遊びます」と宣言していた通り、先発投手をオープナー起用して継投で刻み、野手も日替わりスタメン。勝利を度外視するような選手起用、采配で選手の実力や適性を見極めた。その結果、ソフトバンクに善戦しつつも、采配が裏目に出る場面が何度かあった。

■達川光男氏「絶対に勝てない」

 そんな新庄野球に対し、早くも評論家諸氏から批判の声が上がり始めている。広島OBの達川光男氏はCS放送で、初戦の初回に1番今川がカウント3-0から中飛を打ち上げたことについて、「こんな野球してたら絶対勝てない。好球必打と言いながらも、立ち上がりが荒れている千賀ですよ」と苦言。巨人などでプレーした西本聖氏も、27日の日刊スポーツ紙上で小刻みな継投策を「何のためにOP(オープン)戦があるのか?」と題して、「『調整試合』としても疑問が残る」「今後もこのような継投で戦うつもりなら、リリーフ陣は壊滅してしまう」「壊した後にどういう野球界を作ろうとしているのかが見えてこない」とバッサリ切り捨てた。

継投や日替わりオーダーは選手の不信感を生む

 新庄監督は29日からの本拠地開幕戦から「本気でいく」と言っている。さすがにこの3連戦のような戦い方は減るだろう。しかし、いくら3年連続5位の弱小チームを立て直すためとはいえ、奇策を打ちまくる新庄野球がこの先、チーム内に歪みを生むことは避けられそうにない。評論家の高橋善正氏がこう指摘する。

「この日、先発した吉田輝星は4回3失点で降板した。当初は3イニングの予定だったというが、五回表にチームは逆転に成功。5回を投げ切れば勝ち投手の権利を得るチャンスがあった。結果的に試合には負けたものの、経験を積ませるために1イニング引っ張ったのなら、なおさら五回まで投げさせるべきだった。こうした降板は今後、投手の不信感を招きかねない。投手は何より、勝ち星が年俸に直結しますから」

 その点では日替わりオーダーが続く野手も同じ。

「新庄監督は『調子が良くてもいろいろ試す』と言っている。とはいえ、開幕戦で4番を打った松本がこの日は7番。打順ごとの役割は度外視され、選手は本来のパフォーマンスを発揮しづらいのではないか。それに、いくら『今年1年はテスト』『楽しんで野球をやれ』と言われても、このままなら規定打席に到達するのは近藤くらいでしょう。彼のような不動のレギュラーは安泰でも、クビがかかっている選手はチームが勝てない上に、個人成績も残せないなら本当にクビを切られかねない。負け続ければファンも離れてしまうのではないか。勝つ気がない野球を見るために球場にはなかなか足を運べません。やっぱり真剣勝負を期待してますからね。メディアだってそのうち叩き始めますよ」(高橋氏)

■変節したら空中分解

 そこで問題になるのが、新庄監督が自身のポリシーを曲げずに初志貫徹できるのか、ということだ。

「キャンプ直前、『賞味期限切れ』と報じられたネット記事に対し、自身のSNSで『出る釘は打たれる。そうこなくっちゃ~』と受け流したように、アンチの声を味方にすることがモチベーションになっている部分もある。100敗しようがやり方は変えないでしょうけど、『ファンは宝物』をチームスローガンに掲げた新庄監督にとってファンはよりどころ。メディアもそうです。新庄監督は毎日のようにメディアを目を皿のようにしてチェックするなど、外野の声には非常に敏感。観客動員に陰りが見え始めたり、批判的な声が大きくなった時にどう出るかでしょう」(放送関係者)

 新庄監督はこの3連戦、<勝ちにこだわる>場面もあった。開幕戦の1点リードで迎えた八回、杉浦が満塁のピンチを招くと、登板予定がなかった西村を急きょ、マウンドに送った。評論家の平野謙氏は28日付日刊ゲンダイで、「初志貫徹じゃありませんが、八回は杉浦に1イニングを任せてほしかった。新庄監督の『勝ちたい!』という欲が出た」と指摘していた。

「誰が監督をやっても、育てながら勝つことは非常に難しい。しかし、批判的な声に屈して変節すれば、それこそ選手、コーチの支持を失う。チームが空中分解しかねません」(日本ハムOB)

 新庄監督は開幕直前、「2年でプロ野球の歴史を変える」と豪語した。たとえ100敗しようが、選手が文句を言おうが、周囲からボロクソに言われようが、球団としては新球場がオープンする来年まで何とか盛り上げて欲しいところだが……。

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