阪神・青柳に8、9月失速のデータ…奇跡の逆転Vどころかエースとともに沈没の恐れ

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「エース次第で可能性はゼロではない」

 阪神OBがこう言うのは、矢野燿大監督(53)が49試合を戦う後半戦でもくろむ奇跡の逆転優勝についてだ。

 エースとはもちろん、今季前半戦で12球団トップの11勝(1敗)、防御率1.37を誇る青柳晃洋(28)のこと。

 今季の阪神は開幕17戦1勝と歴史的低迷に陥りながら、前半戦で借金を完済。前半戦終了時点で首位ヤクルトに11ゲーム差をつけられたものの、リーグで最も勢いがあるチームであることは確かだ。

 冒頭のOBは「チームが巻き返せたのは、青柳の働きがあってこそ。青柳が前半戦同様に勝ちまくってくれれば、ヤクルトに大きなプレッシャーを与えることになるけれど、正直、出来過ぎの感もある。それに、昨年まで2年連続で8、9月に失速していることが気がかりだ」と、こう続ける。

「13勝を挙げた昨年はその2カ月間、7試合で2勝3敗、防御率4.85、一昨年も9試合で2勝6敗、同5.85。昨季、阪神は開幕から快進撃を続けながら、青柳の不振もあって、チームは8、9月に17勝18敗4分けと足踏みした。一方、追う立場だったヤクルトは18勝12敗7分けと勝ち越したこともあり、阪神はゲーム差なしの僅差で優勝を逃した。阪神は9月に急失速するシーズンが目立つなど、調子の波が激しいチームだけに、青柳が調子を落とせば負の連鎖に陥り、歯止めがきかなくなる恐れがあります」

 その阪神は29日、ヤクルトとの直接対決に6-0で勝利。矢野監督はヤクルトとの3連戦を迎えるにあたり、「直接対決は12試合残っている。大きく勝ち越すことが必要」と息巻いていたが、エースがコケればチームの勢いがそがれ、再び成績が下降線をたどる危険をはらんでいるといえそうだ。

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