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元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

森保Jエクアドル戦「スタメン総入れ替え」の成否は…堂安、南野らはゴールなるか

公開日: 更新日:

JFA欧州オフィス・津村ダイレクターの尽力

 今回のデュッセルドルフの活動もエクアドル戦がラストだが、それをお膳立てした日本協会(JFA)欧州オフィスの津村尚樹ダイレクターの尽力も忘れてはいけない。

 筆者にとっては長い付き合いの敏腕スタッフと25日にじっくりと話をする機会があった。

 津村氏はオシムジャパン時代の2007年夏に協会入りし、代表チームの総務担当・チームマネージャーとしてW杯には2010年南アフリカ、2014年ブラジル、2018年ロシアの3大会に携わった。その間も年に2~3回は渡欧し、欧州組の所属クラブを回って意思疎通を図ってきた。

 筆者が2019年3月に香川真司(シントトロイデン)が加入したばかりのトルコ1部・ベシクタシュへ行くと「ツムラを知ってるか。つい最近来たばかりだぞ」とチームの強化担当に言われたことがあった。香川ら代表メンバーも何かあれば津村氏にコンタクトを取り、いろいろ調整してもらっていた様子。代表の多くの面々と強固な信頼関係を築いていたからこそ、彼は欧州赴任を任命されたのだろう。

■欧州ロックダウン中に開設された

 当初の開設予定は2020年4月。ご存じの通りコロナ禍の真っ只中だった。結局、津村氏のドイツ行きは半年ほど遅れ、正式稼働は2020年10月にズレ込んだという。

「全てゼロからやりました。日本で会社も作ったことのない自分が、手続きから全てやるのがまず管轄外でした。欧州のロックダウン中に開設したのも大変でしたね。2020年にユトレヒトやグラーツで代表戦をやった時に大迫勇也(神戸=当時ブレーメン)が移動制限で合流できなかったり、試合やクラブ訪問に行けなかったりと苦労もありました」と彼はしみじみ語る。

 欧州組も年々増加し、今では50~100人に上ると言われる。森保監督も「代表候補50人を日常的にチェックしている」と話していたが、全てのクラブを訪問しようとしたら50日はかかる。デュッセルドルフのオフィスは一名体制。津村氏は、どう動けば最も効率的か、をいつも考えているという。

 そのうえでオフィスに治療やケアを受けに来る選手の相手をしたり、私生活の相談にも乗る。デュッセルドルフ所属の田中碧、周辺在住の吉田麻也(シャルケ)、板倉滉(ボルシアMG)などは頻繁に訪れている様子で家族ぐるみで付き合いがあるようだ。

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