著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

メジャーの今季収益は100億ドル超! 入場者減でも各球団で大型契約続出の内幕

公開日: 更新日:

 1997年の場合は、翌年に世界のプロスポーツ史上初となる年間観客動員数7000万人台の大台を記録しており、いわば上昇基調にある数字であった。しかし、今季はコロナ禍からの回復の過程にあるとはいえ、2023年に7000万人台に達するだけの勢いはない。

 それにもかかわらず収益が回復し、年俸も上昇の傾向を示しているのだ。

■球団価値の上昇

 各球団は毎年のように入場料を改定しているとはいえ、観客数の減少を客席の単価引き上げで埋め合わせる手法には限界がある。

 球界の好況の最大の理由は放映権料だ。機構は従来のFОXに加え、Apple TVやNBC系列のピーコックとオンライン配信の契約を新たに結んでおり、2022年だけで放映権収入の合計は19億6000万ドルになる。これが30球団に配分されるのだから、各球団は年俸の原資として安定した財源を持っていることになる。

 さらに、いわゆる米国の4大スポーツのチーム数は合計で124であるのに対し、球団を保有したいという需要を満たすことは容易ではない。大リーグの場合も需給関係では所有者が有利な状況にあり、雑誌「フォーブス」が発表する球団の価値は毎年上昇している。

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