2005年のWBC開催発表時は「不参加表明」も…野球の“五輪競技除外”決定で空気一変

公開日: 更新日:

山中正竹(横浜球団専務、現全日本野球協会会長)2006年大会技術委員(2)

「隔世の感があります。当時は世間的にもWBCっていったい何なの? というムードはあったし、当初は不参加の可能性があったのですから」

 2005年5月、MLBはWBCの開催を発表。しかし、日本ではMLBが一方的に利益を吸い上げるような大会に参加すべきではないとの意見が噴出。公式戦開幕直前の3月開催ということもあり、NPBは参加を保留。選手会も同年7月の選手会総会で不参加を表明した。

 そんな中、一つの決定が流れを変えた。12年ロンドン五輪で野球が除外されることが決定したのである。山中氏は92年バルセロナ五輪で代表監督を務めた経験などから、国際試合の重要性と意義を肌で感じていた。7月にはメディアを通じて参加に慎重な選手会に対し、協力を促した。12球団の代表者会議でも、参加すべきと強調した。

■選手会長を説得

「たしかに、運営方法や開催時期など、大会として不完全だったのは事実。でも、私は五輪監督時に世界最強といわれたキューバにどうやって勝てるのかを研究し続けた。84年ロス五輪以降、金メダルを獲得することができず、今の日本には何が足りないのか、世界基準で今後の日本野球のあるべき姿を考える必要があると。WBCがうまくいけば、五輪で野球が復活する材料の一つになる、とも考えていました」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

  2. 2
    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

  3. 3
    訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由

    訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由

  4. 4
    「いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと…」当時の山田GMが首をひねった図太い神経

    「いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと…」当時の山田GMが首をひねった図太い神経

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

  2. 7
    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

  3. 8
    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

  4. 9
    東山紀之社長の鉄面皮「SMILE-UP.」の体質は旧態依然…進まぬ被害者補償に批判と失望

    東山紀之社長の鉄面皮「SMILE-UP.」の体質は旧態依然…進まぬ被害者補償に批判と失望

  5. 10
    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間

    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間