山本由伸のフォームを徹底分析 欠点にもなり得る左足の突っ張りを長所に変える上半身の使い方

公開日: 更新日:

左足を突っ張るように…

左から右に⑧~⑭(C)日刊ゲンダイ

 注目度では大谷、ダルビッシュらの大リーガーに劣るかもしれない。だが、日本球界が誇るこの投打の柱も間違いなくワールドクラス。投手ならやはり、昨季2年連続の投手4冠を果たしたオリックスの山本由伸(24)だ。1971年に完全試合を達成した元巨人投手コーチの高橋善正氏がフォームを分析した。

【写真】この記事の関連写真を見る(17枚)

 ◇  ◇  ◇

 下の写真は2月初旬のブルペン投球を撮ったもの。今季はキャンプから左足を上げない新フォームに挑戦した。つまり、まだ調整段階のものだが、それでも「さすがは2年連続4冠投手」という要素が詰まっている。

 まず、①の始動から⑭のフィニッシュまでの全体を見てほしい。頭の位置がまったくブレておらず、視線は常に捕手のミットを捉えている。昨季は193回、一昨年は193回3分の2を投げ、与四球数は42、40。与四球率は2年連続で2を切っている。155キロを超える直球を投げる本格派ながら、制球力も兼ね備える一端が見て取れる。

 総じて言えるのが、無駄な動きが少なく、どこを見ても余計な力が入っていない。例えば、③から⑤にかけての両腕の使い方。テイクバックする過程で、普通は利き手を内旋させながらトップに持っていく投手が多い。同じように、グラブを持つ手も内旋し、平泳ぎで水をかくようにして捕手方向に伸ばしていく。そうすると、右手に持ったボールとグラブの手のひら面は④⑤で背中側に向くが、山本由は⑥までボールもグラブの面も下を向いている。両腕をほとんど内旋させていないからだ。内旋すれば、トップの前で外旋の動きが必要になる。これを、無駄な動きとするかは微妙なところだが、左足を上げないフォーム改造といい、できるだけ余計な動きを省きたいと考えているのだと推察する。 

この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。

(残り1,221文字/全文1,983文字)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    冷静になれば危うさばかり…高市バブルの化けの皮がもう剥がれてきた

  2. 2

    すい臓がんの治療が成功しやすい条件…2年前に公表の日テレ菅谷大介アナは箱根旅行

  3. 3

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  4. 4

    高市首相「午前3時出勤」は日米“大はしゃぎ”会談の自業自得…維新吉村代表「野党の質問通告遅い」はフェイク

  5. 5

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  1. 6

    「戦隊ヒロイン」ゴジュウユニコーン役の今森茉耶 不倫騒動&未成年飲酒で人気シリーズ終了にミソ

  2. 7

    維新・藤田共同代表に自民党から「辞任圧力」…還流疑惑対応に加え“名刺さらし”で複雑化

  3. 8

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 9

    志茂田景樹さんは「要介護5」の車イス生活に…施設は合わず、自宅で前向きな日々

  5. 10

    NHK大河「べらぼう」に最後まで東洲斎写楽が登場しないナゼ?