ダルの貢献に侍J監督首脳ベタ褒め!捕手MTGに生の対戦データ提供、攻め方までレクチャー

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覆面データマンの存在とダルビッシュが伝える「生のデータ」

 こうしたチームに対する献身的な言動を指揮官は絶賛したわけだが、ダルの貢献はこれだけにとどまらない。

「戦術面においても本当に助かっています」

 と明かすのは、村田善則バッテリーコーチだ。

 日本は今大会、ライバル国の対策に関して、NPB球団所属の専属スコアラーを置かず、情報提供や分析を行う「データスタジアム」のトラックマン(弾道測定器)のデータを活用。野手ミーティングはデータスタジアムから派遣されたスタッフが担当している。

「“覆面データマン”もいます。米タイガースで主に映像の分析を担当している池田寛氏です。明徳義塾高からミネソタ大に留学した経験があり、米球界に精通している。タイガースは今回、池田氏へのメディアの取材を許可していないため、表には出てきませんが、ライバル国の情報を提供、分析し、首脳陣と共有する役割を担っています。昨年のデータと現在とを比較し、変化している部分を探ったりしています」(代表関係者)

 そして極め付きがダルの存在である。

 今大会の侍Jの投手陣は、首脳陣の方針でなるべくデータを詰め込まず、個々の能力を最大限に生かす方針を掲げているという。前出の村田コーチは、「一番は、投手と捕手がコミュニケーションをしっかりとって、良いものを引き出し合い、投手が自分のボールをしっかり投げること。その先にデータがあるという方向でやっている」と話す。

■捕手ミーティングにも参加

 そんな中、ダルは戦術面においても大いに貢献している。

WBCに出場するライバル国のメジャーリーガーについて、彼自身が直接対戦して得た生のデータを準備して、チームに合流してくれました。しかも、頭に入っている印象をただ説明するというのではなく、きちんとした“資料”として持ってきてくれたのです」(同)

 たとえば準々決勝で対戦したイタリアは、大谷翔平のチームメートであるフレッチャーら8人のメジャー選手がメンバー入りした。

「捕手ミーティング後に、ダルビッシュが『こういう傾向がありますよ』とプラスアルファの話を付け加えてくれますし、私のほうから尋ねることもあります。捕手ミーティングに参加して、『この打者にスライダーを投げるときは、こういう軌道でストライクゾーンに入れると効果がある』といった具合に、攻め方をレクチャーしてくれることもあります」(同)

 バリバリのメジャーリーガーであるダルが実際に生で対戦したデータを提供、「スコアラー役」まで担ってくれるのだから、これ以上、頼りになることはない。

 前出の村田コーチは、13年大会でスコアラーを務め、17年に続いて今回が3大会目だが、「過去の大会でも、メジャーリーガーが参加したことがありますけど、ミーティングにまで参加して、レクチャーするケースは今までになかったことです」と、こう続ける。

「栗山監督も話されているように、彼は投手の将来を考えて球種のことやトレーニングのことなどを後輩投手に伝えるだけでない。決勝ラウンドでは、(メキシコや米国など)これまでよりもメジャーリーガーが多数いる相手と戦う可能性が高い。日本ラウンドの時よりもさらに、ダルビッシュのデータが生きると思っています」

 1人2役どころか、3役も4役も担うダル。準決勝か決勝での登板が予想される中、21日に行われる準決勝のメキシコ戦に向けて、ますます存在感が増しそうだ。

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