岡田阪神18年ぶり悲願の“アレ”を引き寄せる平田ヘッドの忠義 ゴルフ対決でも燃えまくり!

公開日: 更新日:

 阪神は9日からヤクルト-DeNA甲子園6連戦を行う。昨シーズンのリーグ覇者と2位チームは、岡田彰布監督(65)が警戒する強敵でもある。ツバメの三冠王・村上とベイの主砲・牧は、侍ジャパンでも存在感を発揮。評論家諸氏の下馬評も高い両軍だけに、どうする岡田監督。

  ◇  ◇  ◇

 18年ぶりの「アレ」をめざす岡田監督にとって、何よりも心強いのが平田勝男ヘッドコーチ(63)の存在だろう。ピンチの時ほど岡田監督に寄り添い、押せ押せムードの時は持ち前の明るさでベンチを鼓舞。昨年までコーチ-二軍監督と10年連続で虎ナインを指導し、その能力や性格を熟知しているから、15年ぶりに復帰した岡田監督のギャップを補って余りある。

 2人は第1次岡田政権でもタッグを組んだ。その時、平田ヘッドはこう話していた。

「ヘッドだから作戦を助言するなんてとんでもない。戦術はすべて岡田さんが仕切る。オレは選手の状態を伝えたり、岡田さんと選手の間をどう取り持つかを考える。岡田さんが気分よく采配を振るためにな」

■仕掛け人は吉田義男氏

 そんな名コンビは現役時代、二遊間を組んだ仲でもある。仕掛け人は日本一監督の吉田義男氏。1985年。前年まで足の故障の影響でライトを守っていた岡田監督をセカンドに戻し、真弓明信氏をショートに戻さずライトにコンバートして平田ヘッドを続投させた。

「岡田は軸足がしっかりしていて、セカンドベース上が非常に強い。走者を怖がってよけないから、確実にゲッツーを取れる二塁手だ」

 吉田氏はそう説明したが、本当に走者が怖くないのか。岡田監督に尋ねたことを覚えている。

「走者が送球コースをふさいだり、オレを倒そうと向かってきたら? 簡単やんか。一塁送球の時に当てたらアカンけど、顔面スレスレに投げればええ。怖くて二度とそんなことしてこんやろ。要はナメられたらアカンということよ」

 こうして誕生した二遊間の連係プレーは、実に見ごたえがあった。4-6-3、6-4-3の流れるような併殺はもちろん、無走者で4-6-3の補殺もあった。これは二遊間の深いゴロを岡田監督が捕球し、反転してジャンピングスローではなく、近くに寄った平田ヘッドにグラブトス。素早く一塁送球し、打者走者を刺す曲芸のようなプレーだ。たとえセーフになってもスタンドは沸き、2人とも笑って本当に楽しそうだった。

 平田ヘッドは昨オフ、実はポスト矢野燿大氏の有力候補のひとりだったが、初めてのことではない。金本知憲氏、矢野氏の監督就任時に続き、実に3度目の次期候補だった。

 だから声をかける際に「平田コーチ」とは呼ばず、親しみを込めて「次期候補」、略して「次期」と呼んでいた。すると「次期、次期ってうるさいなぁ。オレは磁気ネックレスか」と大笑い。明朗快活な平田ヘッドの本領発揮だった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  3. 3

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 4

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 5

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  1. 6

    佐々木朗希がドジャース狙うCY賞左腕スクーバルの「交換要員」になる可能性…1年で見切りつけられそうな裏側

  2. 7

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 8

    巨人が来秋ドラ1指名?明治神宮大会で躍動の青学大154キロ右腕・鈴木泰成は“4年越しの恋人”

  4. 9

    周囲が気を揉むドジャース山本由伸の結婚適齢期…今季大活躍でスポンサーからの注目度も急騰

  5. 10

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    嵐ラストで「500億円ボロ儲け」でも“びた一文払われない”性被害者も…藤島ジュリー景子氏に問われる責任問題

  2. 2

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  3. 3

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  4. 4

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  5. 5

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  1. 6

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  2. 7

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール

  3. 8

    織田裕二「踊る大捜査線」復活までのドタバタ劇…ようやく製作発表も、公開が2年後になったワケ

  4. 9

    「嵐」が2019年以来の大トリか…放送開始100年「NHK紅白歌合戦」めぐる“ライバルグループ”の名前

  5. 10

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞