大関・貴景勝はなぜ嫌われる? 綱とりへ白星発進も周囲は冷え切ったムード

公開日: 更新日:

「11勝止まりという星数以上に、優勝決定戦での立ち合い変化の印象が悪すぎた。しかも、相手は21歳の平幕・熱海富士ですからね。熱海富士は先場所が返り入幕で、まだ幕内2場所目の新鋭。横綱を目指そうという大関が、そんな若手の挑戦から逃げ、からめ手で勝った。協会の中にはいまだに貴景勝を『あの貴乃花の弟子』と色眼鏡で見る親方もいますしね」(角界OB)

 貴景勝の相撲ぶりも不安を抱かせる一因だろう。突き押し専門で、四つに組んだら幕下どころか三段目以下。安定感に欠け、攻められたら弱いのは押し相撲の宿命ではあるが、過去の歴代横綱は押し相撲の力士であっても、ある程度は四つ相撲に対応できた。現役時代の八角理事長も相手に掴まれたまわしを切る技術は一流だった。

 押し相撲しかできない上に、印象は最悪。仮に今場所も11勝の優勝だったら昇進は見送りか。

「それはないでしょう。10勝だろうが11勝だろうが連覇したら昇進は決まりですよ。というのも、大相撲は前例主義。過去、連覇で昇進を見送られた大関は皆無ですからね。もし、星数を理由に貴景勝を昇進させなかった場合は、『低レベルの連覇は認めない』という、あやふやな基準ができてしまい、後々紛糾のタネになりかねません」(前出の角界OB)

 もちろん、ハイレベルな優勝ならば、言うことはないのだが……。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 格闘技のアクセスランキング

  1. 1

    2世力士・藤ノ川成剛が受け継ぐ伝統とDNA…大学のスカウトを蹴った裏に父の助言

  2. 2

    本名力士・草野直哉は“白鵬騒動”に翻弄された照ノ富士の元付け人…雑用卒業でいよいよ本領発揮

  3. 3

    “ケチ付き昇進”横綱豊昇龍がまた休場…名ばかり横綱だった先輩2人との「いや~な」共通点

  4. 4

    横綱大の里に舞の海氏「深刻な病、悪い癖」…V戦線に踏みとどまるも方々から辛辣意見殺到

  5. 5

    悲願の初V琴勝峰“らしくない”強気相撲はケガの功名…大関・横綱級の大器が「ひたすら前に出て攻めた」理由

  1. 6

    いとうあさこ似を自認・琴栄峰央起の“美四股”は角界随一、兄・琴勝峰の影響で高卒プロ入り決意した

  2. 7

    大の里は4つ目の「金星」配給で新横綱V完全消滅…不名誉極まりない“新記録”のオマケ付き

  3. 8

    大相撲平幕Vが早くも「平成31年間の9人」に並ぶ… 今後も止まらぬ番付崩壊、プロアマの差はないも同然

  4. 9

    ウクライナ出身力士 安青錦がすべてを語った…単身来日して3年、新入幕で敢闘賞

  5. 10

    “金星プレゼンター”横綱豊昇龍に必要な叔父の図太さ…朝青龍は巡業休んでサッカーしていた

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃