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Ricardo Setyonジャーナリスト

リカルド・セティオン 1963年生まれ。サンパウロ出身。中東戦争やユーゴスラビア紛争などを現地取材。スポーツジャーナリストに転身し、8カ国語を操りながらブラジルメディア以外にも英「ワールドサッカー」、伊「グエリン・スポルティーボ」など幅広く執筆。BBCのラジオ番組にも出演。98年、02年のW杯期間中にブラジル代表付き広報を務めた。現在もジーコ、ロナウド、ロナウジーニョ、カフー、ドゥンガら大物との親交も厚い。13年コンフェデレーションズカップではFIFA審判団の広報。国内では「ワールドサッカーダイジェスト」「スポルティーバ」などでコラムを執筆中。ブラジルのマッケンジー大、パナマのパナマ大、イスラエルのハイファ大などでスポーツマネージメントの講義を行う。自他ともに認める「サッカークレージー」。

銃撃戦にデモの恐怖…それでも日本にとってメキシコ開催がラッキーなワケ

公開日: 更新日:

 ボンジーア! いよいよ各国の代表が決まってきたね。さて、今回のW杯、米国ばっかり注目されているけど、3カ国共催だってことは覚えているかな? メキシコ、カナダでもそれぞれ13試合が行われるよ。

 ということで、今回はメキシコの話をしよう。なにせ、米国とは違った問題が山積みだからね。

 まずはなにより治安問題。開催都市のひとつグアダラハラではこの2月、「麻薬王」と呼ばれる人物が軍に殺害された。報復として街角で銃撃戦が起き、車やガソリンスタンドに火が放たれ、人々は数日間家から出られない状態だった。飛行機も燃やされ、W杯で何万人もの人々が利用するはずの空港も3日間閉鎖された。数日間で70人以上が亡くなったって話だ。現在、街は落ち着いているものの、いつまた暴動が勃発するかわからない。ちなみにメキシコでは現在13万人近くが「行方不明者」として届け出がされている。昨年だけでも1万4000人がいなくなった。その多くが犯罪に巻き込まれたって話だ。

 開幕戦が行われるアステカ・スタジアムでは、「水問題」で近隣住民との衝突が起きている。メキシコシティーはもともと水が不足しがち。飲料水の半分は井戸に頼っているんだ。ところがスタジアムがある地域の井戸は、スタジアムを所有する会社の私有地となってしまった。芝や施設をキープするために、年間4億5000万リットルもの大量の水が使われ、その結果、この地域ではほぼ毎日断水が起こる。ひどい時には週に2日しか水が出ないこともあって、人々は水をためてどうにか生き延びている。W杯が始まり、多くのサポーターがやってくれば、使われる水の量はもっと多くなる。住民はデモをして飲み水を確保しようとしているけど、政府は知らん顔。大会中にもデモが行われる可能性は高い。より世界の目が集まるからね。

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