入団直後から“普通でなかった”思考回路…完封を褒めても「何かありましたか?」の表情だった

公開日: 更新日:

  本塁打王と2度のMVPという実績をひっさげ、プロスポーツ史上最高額でドジャースに移籍した大谷翔平(29)。メジャーでベーブ・ルース以来となる二刀流選手の礎を築いたのは日本ハムだろう。

 大谷を獲得した当時のGMである山田正雄スカウト顧問に結婚、二刀流、その素顔などを聞いた。今回はその【最終回/全4回】。

  ◇  ◇  ◇

 ──大谷は飛び抜けた素質があり、なおかつ素質を生かすだけの能力も持ち合わせていたと。

「フツーは立ち上がりが良くないなら、どうしたらいいかいろいろな人に聞いたりするじゃないですか。僕らも本人にそういう質問をしましたけどね。立ち上がり悪いけど、どういうふうに考えてるのと。すると、まあ、自分なりに考えてますよという程度。本人はこう考えているから、こうしていますとまでは言わない。僕らでも技術面は言う立場じゃないけど、精神面とか……例えばコーチが言っていることを本人が理解しているのか把握するためにそういう話はするんです、ある程度、一人前になるまでは。

 世間やプロの世界はこういう世界だとか、僕なりには教育していくんですけど、この子にはそこまでしなくても大丈夫なんじゃないかなと、入団して少したったころに思った。打てなくてもケロッとしているし、バッティングも変えない。これは絶対、どこかで出てくる。ちゃんとモノを考えてやっているんだなと。いやー、このところ、こういうことで悩んでるんですよ、どうなんですかね、山田さん……などと言ってくる選手は意外に多いんですけど、そういうことは言わない。

 言わないけれど、自分なりにしっかりと考えてる。プロでやっていくうえで、自分にいま欠けてるのは体力、パワーなんだろうと、大谷はそれがまず分かっていたんじゃないかな。課題は技術面以前に肉体面と把握していた。自分の課題がなにか、克服するために何が必要かを正確に理解したうえで、なおかつ努力できる才能を持ち合わせていたように思う」

 ──中距離打者という周囲の声とは違い、最初からホームランバッターを目指していたと思いますか。

「そう思いますね。自分に足りないのはパワー。パワーさえつけていけばと思ってたんじゃないですかね」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった