入団直後から“普通でなかった”思考回路…完封を褒めても「何かありましたか?」の表情だった

公開日: 更新日:

「自分の考えている目標のレベルが、フツーと違う」

 ──プロ入り当初からいまのような姿を目指していたと。

「かもしれません。札幌ドームで完封した試合があった。終わって10分後くらいですか、マッサージをしていたので声を掛けたんです。『ナイスピッチング!』ってね。すると、えっ、それが、どうかしましたか? 何かありましたか? という表情なんです。人の話を聞いてるのか、おまえのことじゃないかと言いたいくらい(笑)。

 喜怒哀楽をあまり出さない選手でも、試合直後は神経も高ぶってるし、充実感みたいなものがどっかに出てる。なのに大谷は、言われてみればそうですね、みたいな反応。浮かれることがまったくない。目標というか、いまは目指すところの過程で、僕はこんなもんじゃないんだという。まだまだパワーもないから、努力していかなきゃならないんだと。だから有頂天にもならないし、満足することもない。

 自分の考えている目標のレベルが、フツーと違うんでしょうね。僕も含めて、周りはジャイアンツ高橋由伸のような中距離ヒッターと思ってたかもしれませんけど、本人は全然、違ってたのかもしれない。いや、まだまだこんなもんじゃないですよと、あえて口に出すこともしない。なにしろ、そういう話をしないですからね」

 ──本人と打ち解けて話したことは……。

「それが、ないんですよ(苦笑)。こっちも選手と親しくなるのはどうかなというスタンスなんだけど、選手よりは気を使って、いろいろなことを聞き出そう、なるべく話を長くもっていこうと思う。けど、話はすぐに終わっちゃいますもん(笑)。『エース』(大谷の実家で飼っていた愛犬)はどうした? 元気にしてる? と水を向けると、『はい、元気にしています』と。そこで終わっちゃう。あまり親しくしてないから分かりませんけど、向こうから見れば、僕なんかおじいちゃんですよ。だから会話が進まないのか。他の選手とはもっと深く、話はしてると思うんだけど(笑)」(おわり)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった