巨人入り田中将大は「給料ドロボー」に終わるか、復活するか…球団OB評論家が実名で懸念点を指摘

公開日: 更新日:

獲得を「検討すらしなかった」球団も

 1試合のみの登板に終わった今季の数字はアテにならないとはいえ、直球の平均球速は143.1キロにとどまった。ヤンキース最終年の20年に148.5キロだった平均は21年=147.1キロ、22年=147.2キロ、23年=146.3キロと下降線をたどっている。それに比例して、被本塁打数は21年=17、22年=16、23年=15と一発を食らうケースが増えて、昨年までの3年間の被本塁打率は0.94。ヤンキース移籍前の被本塁打率は7年間通算で0.45だったから、倍以上になった。

 パ・リーグ球団のスコアラーもこう言った。

「本塁打が最も出やすい東京ドームが本拠地になって、一発病が悪化する可能性はある。今季までの田中将の投球を見て、最も衰えを感じさせたのが、真ん中から高めの直球の球威とキレでした。これが効かないから、被本塁打が増え、低めの変化球を見極められる。当然、投球は苦しくなります。それが、右肘の故障の影響なのか、年齢からくる衰えなのか、あるいは両方なのか。うちは復調は難しいと判断して、獲得を検討することもありませんでした」

 もちろん、完全復活を果たし、念願のメジャー移籍を実現した菅野の例もある。昨年までの3年間で20勝22敗と限界説が囁かれながら、35歳になった今季は15勝。評論家の権藤博氏も「投球フォームを見直し、真っすぐの質が戻った。軸足にしっかり体重が乗るようになったことで、下がり気味だった右肘が上がり、上から下に振り下ろせるようになった成果。昨年までならフェンスオーバーされていた打球が手前で失速した。真っすぐで打者を押し込められたから」と言っている。

「菅野はオフに徹底的に走り込み、土台となる下半身を鍛え上げた。田中将も相当な覚悟でやる必要があることだけは間違いない。今の状態で1億6000万円もの年俸をもらうのですから、その責任がある」(前出の高橋氏)

 阿部監督は「(田中将が)持っている熱い気持ちを若い選手に継承してもらいたい」と言ったが、それだけでは高すぎる。

  ◇  ◇  ◇

 ところで、田中の女房役となりそうな甲斐拓也は、「巨人にとってマイナスに働きかねない」という声もある。いったいどういうことか。元バッテリーコーチで評論家の秦真司氏が悲観した「問題点」とはいったい何か。いま、巨人で何が起きているのか。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  3. 3

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  3. 8

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  4. 9

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」

  5. 10

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  3. 3

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  4. 4

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  5. 5

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  1. 6

    12月でも被害・出没続々…クマが冬眠できない事情と、する必要がなくなった理由

  2. 7

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  4. 9

    黄川田地方創生相が高市政権の“弱点”に急浮上…予算委でグダグダ答弁連発、突如ニヤつく超KYぶり

  5. 10

    2025年のヒロイン今田美桜&河合優実の「あんぱん」人気コンビに暗雲…来年の活躍危惧の見通しも