著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

球団の年俸格差と経営格差の構造…24年は“ぜいたく税”が過去最高額の3億1131万ドルを記録

公開日: 更新日:

 本拠を置くオークランドの治安が急速に悪化したことで他地域から観客を集めることを難しくし、オークランドコロシアムの老朽化が敬遠されて有力選手との契約に至らず、他球団とのトレードで選手を得ようとしてもアスレチックスが提示する選手に相手側が興味を示さない事例が多いのが現状である。

 例えば、23年には全米の主要都市の犯罪発生率がおおむね低下する中で、オークランド市は強盗、窃盗、自動車盗難が前年比で2ケタの増加を示しており、地元紙のサンフランシスコ・クロニクルはオークランドの住民の30人に1人が自動車を盗まれたと分析している。

 あるいは、オークランドコロシアムは1960年代から70年代にかけて流行したNFLとの兼用球場であり、現在の大リーグで主流となっている左右非対称でファウルゾーンが狭く、客席とグラウンドの距離も近い球場に比べると時代遅れの感は否めない。

 こうした状況から、アスレチックスは22年から毎年、大リーグで最低の入場者数を記録し、最終的に今季からサクラメントに、そして28年にはラスベガスに本拠地を移転することになった。

 シーズン開幕前はどの球団にも勝利の可能性はあるものの、経営面では格差の構造が横たわっているのである。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意