著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

メディアによる球団経営の功罪…ウォルト・ディズニー社は「ディズニーランドもどき」で大失敗

公開日: 更新日:

 巨人軍の元オーナーで読売新聞グループ本社主筆の渡辺恒雄氏が98歳で亡くなった。メジャーでは巨大メディア企業が球団を買収して経営に乗り出すと失敗するのは珍しくない。

 米国テレビ業界のリーディング企業だったCBS放送は1965年にヤンキースを買収、経営に乗り出したが、効果的な資金の投じ方を知らないためチームは低迷。一度もプレーオフに進出できないまま73年に五大湖地方のスタインブレナーという造船業者にたった1000万ドル(当時約27億7000万円)で投げ売りする羽目になった。

 映画、テレビ制作も行うウォルト・ディズニー社はディズニーランドのすぐ近くに本拠を置くエンゼルスを96年に1億2000万ドル(同130億円)で買収し経営に乗り出した。外野席の一部を潰してディズニーランドの「冒険の国」のような巨大な岩の間を小川が流れる「ディズニーランドもどき」を創出、ディズニー色を前面に出した球団経営を行った。しかし、年俸高騰などで経費がかかりすぎるため、ワールドシリーズを制覇した翌年の03年に、看板広告で財を成したアルトゥーロ・モレノ氏に1億8000万ドル(同212億円)で売却。この時期は球団の買収額が急騰していたため、前年の02年にレッドソックスは6億6000万ドル(同818億円)で買収された。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった