著者のコラム一覧
春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

公約に「平和」という言葉を19回も使ったラパルティアン、一度も使っていないサラマンチ

公開日: 更新日:

 最も多く「平和」という言葉を使っているのは、ラパルティアン(19回)であった。「世界に真の平和の象徴があるとすれば、それはオリンピック精神です」と言ったグテレス国連事務総長の言葉を引用し、「世界中で多くの戦争が災いを広げる今、政治的にならずに平和を推進し構築し続けなければならない」と強調する。

 次点はヨルダンの王子、ファイサル(12回)。自国が中東和平に尽力してきた伝統を引き継ぎ、スポーツを通じた平和構築に焦点を当てた「平和のための世代」というNGOを10年にわたり自ら運営し、紛争後のコミュニティーにポジティブな影響を与えている実績を誇る。

 対照的に40ページ以上もあるマニフェストに一言も「平和」を登場させないのがサマランチ。しかし、彼はスポーツの「普遍」性という言葉に「平和」への道を求めているようだ。あらゆる差別を超えて人類が参集する五輪の「普遍」的価値を説く。パリ五輪ではロシアとベラルーシの選手は「中立」であれば参加できたが、「本来ならば全ての選手が参加すべき」が彼の本音とみる。父親である第7代会長サマランチは駐ソ連スペイン大使であった。

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