公約に「平和」という言葉を19回も使ったラパルティアン、一度も使っていないサラマンチ

ロシアのプーチン大統領（右）とバッハ会長（Ｃ）ロイター＝共同

　コベントリー（1回）もエリアシュ（2回）も「平和」の使用は少ないが、「中立」であることが政治に支配されないオリンピックの磁場をつくるとの考えで、選手が政治的に「中立」である以上、五輪への参加は守られるべきとする。

　反対にコーが会長である世界陸連はロシアとベラルーシの選手のパリ五輪参加は一切認めなかった。彼のマニフェストに「平和」は1回しか出てこない。

　渡辺のマニフェストは5ページ。候補者の中で最も短いが、その中で「平和」という言葉が8回も登場する。自らが被爆2世であると告白し、スポーツの平和への貢献を訴える。日本がピンポン外交で中国との友好関係を築いたことを挙げ、日頃からのスポーツ交流が戦争回避の道になると主張する。戦火のウクライナを国際体操連盟会長として訪れた彼は「ゼレンスキー大統領が国民を家族のように守るのと同様、私にとっては世界中の体操選手が娘であり息子。全選手が大会に出る権利を守りたい」と語っている。

　果たして世界平和構築のリーダーにふさわしいのは誰か？