著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

「何かをやる女」大坂なおみに浮上の気配…生活面はともかくコート上のメンタルはめちゃくちゃ強い

公開日: 更新日:

「復帰後のなおみは、故障もあり試合数が足りなかった。125への出場目的は、とにかく試合をこなすことにあった」

 セリーナ・ウィリアムズを復活させたムラトグルー・コーチの狙いはもっと先だろう。

 大坂はハードコートスペシャリストとされる。ビッグサーブがあり全豪と全米の勲章がそれを裏付けるが、クレーに通用するストロークの持ち主で、その証明が昨年の全仏、シフィオンテクとの2回戦で、惜敗したものの6-7、6-1、5-7。3年連続4度目の優勝だったシフィオンテクがセットを落としたのは大坂だけ。全仏で17ゲームを失ったのも初めて。

 ムラトグルーはこの試合を踏まえ、全仏にチャンスありと見ただろう。勝てなくとも、パリの手応えは夏の終わり、得意の全米につながる……。

 大坂にはメンタルが弱いという印象がある。21年の全仏でメンタルヘルスを訴えて棄権したが、メンタルの弱い選手がメジャーで4勝できるはずがない。社会生活への対応に難があっても、コート上のメンタルはめちゃくちゃに強いのだ。

 思い出すのは最初に優勝した全米、セリーナとの決勝だ。セリーナは土壇場にコーチングで警告を受けて激高、そのコーチがムラトグルーだった。センターコートに怒涛のごとく渦巻いたセリーナへの声援を乗り越えた強さを誰よりも知っている……何かをやる女、ナオミから目を離してはいけない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  4. 4

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 5

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  1. 6

    参院選で公明党候補“全員落選”危機の衝撃!「公明新聞」異例すぎる選挙分析の読み解き方

  2. 7

    「愛子天皇待望論」を引き出す内親王のカリスマ性…皇室史に詳しい宗教学者・島田裕巳氏が分析

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    松岡&城島の謝罪で乗り切り? 国分太一コンプラ違反「説明責任」放棄と「核心に触れない」メディアを識者バッサリ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒