著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

ピート・ローズの永久追放処分解除の裏にトランプの存在…出身のオハイオ州は選挙対策上の重要地区

公開日: 更新日:

 その後も、トランプは繰り返しローズの復権を求めており、ローズの逝去の際にも「彼は自分のチームの勝利に賭け、数十年にわたる代償を払った。ピート・ローズを野球殿堂入りさせるべきだ。今がその時だ!」とXで主張している。

 オハイオ州は保守層が多いだけでなく、1964年以降、「オハイオを制する者は大統領選を制する」とまで称される重要な州となっている。そのようなオハイオ州を代表する野球人のローズへの支持は、トランプによる選挙対策という一面も持っている。

 それとともに、ローズの野球の尊厳を損なったという球界の常識を覆そうとする姿は、さまざまな分野で既存の秩序を破壊しようとするかのようなトランプの態度に通じるものがある。

 こうした背景を考えれば、トランプが外国人選手への規制を強化する可能性をほのめかしつつ、マンフレッドにローズの復権を求めたとしても不思議ではない。大リーグ機構がローズだけでなく、1919年のワールドシリーズでの八百長事件で球界を追放された選手も含めた資格の回復を行ったのは、「死者は野球の高潔さを脅かす存在にはなり得ない」という声明からわかるように、機構による措置の正当化であろう。

 どちらかといえば消極的な印象を与える声明文は、相手との取引によって自らの要求を押し通そうとするトランプの手法に影響された措置であることを示唆するのである。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ前監督・吉井理人氏が佐々木朗希を語る「“返事もしなかった頃”から間違いなく成長しています」

  2. 2

    ロッテ前監督・吉井理人氏が大谷翔平を語る「アレを直せば、もっと良く、170kmくらい投げられる」

  3. 3

    矢沢永吉ライブは『永ちゃんコール』禁止で対策も…B'z『客の大熱唱』とも通じる“深刻な悩み”

  4. 4

    菊池風磨のカウコン演出に不満噴出 SNS解禁でSTARTO社の課題はタレントのメンタルケアに

  5. 5

    阿部監督のせい?巨人「マエケン取り失敗」の深層 その独善的な振舞いは筒抜けだった

  1. 6

    巨人ドラ1岡本和真 本塁打1本「小遣い1万円」に祖父母悲鳴

  2. 7

    「将軍 SHOGUN」シーズン2も撮影開始 2026年は柄本明、平岳大ら海外進出する日本人俳優に注目

  3. 8

    辰己涼介は楽天残留が濃厚 ソフトバンク東浜巨らFA行使“残り物”たちの気になる行方

  4. 9

    新大関・安青錦に追い風? 八角理事長が看破した横綱・大の里「左肩回復遅れ」

  5. 10

    ブルージェイズ岡本和真に「村上宗隆の2倍」の値段がついたカラクリ