著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

MLBが「鬼滅の刃」を宣伝材料に使った本当の狙い…映像はYouTubeやTikTok、Instagramなどでも公開

公開日: 更新日:

 ドジャースカブスの日本での開幕戦に際し、アニメ「鬼滅の刃」と大リーグのコラボレーションムービーが作られた。

「鬼滅の刃」の重要な主題の一つである「想いの継承」を日本の野球の発展の歴史という側面から描き、アニメ版「鬼滅の刃」で主人公たちがさまざまな剣技を繰り出す際の描写と同じ視覚効果で両チームの日本人選手の活躍を表現したのが今回の映像である。

 海外で事業を行う企業であれば進出先の実情に合わせた宣伝活動を行うのは当然のことであり、大リーグ機構も例外ではない。実際、昨年のソウルで行った公式戦で、人気のK-POPグループや著名な歌手を国歌斉唱や試合開始前の特別公演に起用した。

 また、メッツとフィリーズが対戦した昨年のロンドン・シリーズでは米国のコメディードラマ「フィラデルフィアは今日も晴れ」の原案者で主要人物マックを演じるロブ・マケルヘニーが宣伝用の映像に出演した。本作は英国でも高い人気を誇る番組であるだけに、現地の人々の注目を集めるには適した内容だった。

 それでは、「鬼滅の刃」と共同した今回の映像はなぜ、制作されたのだろうか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘