名門・日大重量挙げ部カリスマ指導者が「入学金だまし」で不正徴収5000万円超…20年前から続いてた手口と悪しき慣習
「重量挙げ」といえば日大──五輪代表選手を数多く輩出してきた名門のカリスマ指導者が、特待生として入学した奨学生に「1年目の授業料免除はない」と嘘をつき、多額の現ナマを懐に入れていた。
奨学生の保護者から授業料名目で現金をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は10日、詐欺の疑いで日大重量挙げ部元監督の難波謙二容疑者(63)を逮捕した。
難波容疑者は2023年4月に入学予定の同部の奨学生4人に対し、「免除は2年目から」と偽り、本来払う必要がない入学金や授業料などの名目で計250万円を振り込ませていた。
難波容疑者は<入学手続き時の入金>という文書を作成し、<奨学生として申請しています。1年目のみお支払いください。2年時以降は徴収されません>と明記された嘘の大学案内を送付していた。
「奨学生は入学する学部から直接ではなく、重量挙げ部を通じて合格通知と入学要項が入った書類が届けられます。重量挙げ部に届いた段階で、難波は入学金と1年目の授業料を支払う『重量挙げ部用』の納付書を入れて保護者に送付していた。振込先は大学ではなく、重量挙げ部の口座です。手続きはすべて難波から指示を受けたコーチが行っていた。振り込みが終わると、コーチが現金を引き出し、難波に渡していた。徴収額は毎年約700万円に上り、難波が教授を務める生物資源科学部の研究室の引き出しに保管。本来なら重量挙げ部の運営に使われる補助金650万円も一緒に置いてあった」(大学関係者)