千葉を「戦国」たらしめる“超過密日程”は今年の我が専大松戸に追い風になる手応えを感じています
ZOZOでやれるのなら受け入れる
もう少しマシにならないか、といった声も指導者の間で聞こえてきますが、私はというと、どうにもならないものだと受け入れることにしています。
知っての通り、準決勝、決勝の舞台となるZOZOマリンスタジアム(以下、ZOZO)はロッテの本拠地で、プロ野球との兼ね合いがあります。大会の開催時期についても、本業である学校の定期テストや、甲子園の抽選会などの都合が絡むため、簡単には動かせません。
「それなら、他の球場を使えばいいのでは?」と思う読者もいるかもしれませんが、千葉大会の決勝戦は毎年、スタンドがびっしり埋まるほど大人気。観客の数、駐車場のキャパシティー、動線の安全確保といった面を総合的に見ても、約3万人が入るZOZOよりもふさわしい球場はありません。
なにより、実際にプレーする選手たちにとって、プロが使う「最高の環境」で、これまで経験したことのないような大声援を受けながらプレーすることは、他の何にも代えられない人生の肥やしになります。「一生の思い出になった」という選手の声も耳にするだけに、ZOZOで試合をさせてもらえるのなら、たとえ過密日程であっても仕方がないと割り切ることができるのです。
さらに、この過密日程は、今年の専大松戸にとっては追い風になるという手応えを感じています。
現チームには、公式戦で計算できる投手が5人います。
右の本格派、アンダー、サイド、左の技巧派など、タイプも球筋もまったく異なる5人です。欲を言えば、絶対的な柱がいれば理想でしたが、逆に5人全員を生かせる条件が整っているとも捉えられる。
連戦が続く中、ひとりのエースに頼るチームは、勝ち上がるほど厳しさは増す一方です。登板のたびに疲労は蓄積し、対戦相手のレベルも上がっていく。いくら力のある投手でも、球数制限もあり、最後までひとりで投げ抜くのはまず不可能です。
一方こちらは状況に応じてタイプの違う投手を使い分け、うまく噛み合わなければすぐに次のカードを切ることができる。1人あたりの負担を極力抑えつつ、常にフレッシュな投手をつぎ込んで試合を組み立てられるのが今年の専大松戸の強み。それは勝ち進むほどに真価を発揮するはずです。
まだまだチームに不安や課題が残りますが、戦いながらどれだけ修正できるか。それが甲子園切符を掴み取るカギになります。