夏の甲子園で公立校は“絶滅”危機…今夏わずか6校、加速する球児の二極化に指導者「受難の時代」と悲鳴

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DH制の導入と猛暑でさらに厳しい時代へ

「私立でも特待生や授業料無償の地域もあるから『学費が安い』という公立のメリットがなくなりつつあります。横浜は全国から選手を集めているといわれるが、私が部長で中学生をスカウトしている頃は『学校名が横浜だから、地元の選手は6、7割。県外出身者は3、4割まで』という渡辺元智監督の考えと、『県を代表して出場する甲子園に他県の出身者ばかりで出ても、応援してもらえない』という学校の方針もあって、この割合は守っていた。とはいえ、やはり選手集めは資金力のある私立が有利。健大高崎は今春センバツでは、ベンチ入り20人中19人が県外出身者だった。プロ野球の外国人枠ではないが、夏の地方大会、甲子園大会に出られる県外出身者は、20人中4人にするなどのルール作りが必要でしょう。でないと近い将来、公立の甲子園出場校が消滅する可能性は十分ありますよ」

 20年からスタートした「球数制限」は特に部員数が少ない公立校の間で「私立が有利になる」と反対の声が多数出た。そこにきて、公立の受難に追い打ちをかけそうなのが、来春センバツから導入が検討されているDH制だ。

 前出の小倉氏は「10人で野球ができるんだから、当然、選手層が厚い私立がますます有利になるでしょう。例えば横浜は、レギュラーと控えのベンチ入りメンバー20人の差が少ない。公立はレギュラーと控えの実力差が大きいですから」と言う。

 一方で百崎氏は「信頼できる投手が1人しかいない公立でもDH制は大歓迎です。この暑さの中、打って走ってマウンドに上がるのは過酷。DH制なら投手が投球に専念できる点でメリットもあります」と必ずしも強豪校のためのルールではないとしたが……。

 近年の異常な猛暑は小倉氏、百崎氏ともに「選手層が厚い私立に有利に働く」とした。

 少子化の影響もあり、昔と比べて野球人口が減少する中、ますます私立と公立の格差は広がる一方だ。実際、07年のがばい旋風以降、公立は甲子園で1度も優勝していない。奇跡は2度と起こりそうにない。

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