玉木正之氏がCSシステムをバッサリ!「NPBと12球団は既得権益の死守しか考えていない」
4日現在、セ・リーグは75勝45敗3分けの阪神が貯金を独占。2位巨人以下の5球団が借金を抱えている。
過去、借金チームがCSに出場したことは8回(プレーオフ含む)あるものの、2位チームが勝率5割以下でCSに出たことは一度もない。かねて借金チームのCS出場に対する異論は少なくなかったが、ここにきて巨人OBの上原浩治氏も、「もし、2位以下のチームが日本シリーズに出て優勝したらどうなるか。阪神に行ってもらうくらいのルールを作った方がいいのでは」と提言するなど、またぞろ球界から改革を求める声が噴出している。
そんなCSのあり方についてプロ野球事情に詳しいスポーツライターの玉木正之氏に意見を聞いた。
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──阪神がセの貯金を丸抱えして優勝する可能性が浮上している。2位以下が勝率5割に満たない場合でも、CSが開催されることに反対の声が出ています。
「おかしいですよね。ひと言で言うならば、リーグ優勝の価値をおとしめていますよ」
──どんなルール作りが必要だと思いますか?
「即物的な意見を言えば、負け越したチームはCSに進出できないことにすればいい。各リーグの球団数を増やすのも手です。セ・パ6球団ずつしかないのに、そのうち半数がポストシーズンに進出できるのは明らかに割合が多すぎます。ただ、これは今回の問題の本質ではありません」
──といいますと?
「現行のCSシステムはおかしいし、確かに私を含めて各所から異論が出ています。しかし、NPBや各球団の中に、『借金を抱えているのにCSに出場できるのはおかしいのではないか』と声を上げられる者がいるでしょうか? いくらわれわれ外野が騒いだところで、NPBや各球団が本気で改革に取り組まない限り、何も変わりません。問題はそこなんです」