大谷翔平が「三刀流」でカラダが悲鳴を上げる日…投打+外野守備なら故障リスクもハネ上がる
元凶は抑え不在
先発して5回を無安打無失点に抑え、50号本塁打も放った。2年連続50本はメジャー史上6人目、かのベーブ・ルースに肩を並べる快挙でもある。それでも勝利に結び付かなかったのが日本時間17日のフィリーズ戦にリアル二刀流で出場した大谷翔平(31=ドジャース)だ。
米メディアは5回無失点の大谷を降板させたロバーツ監督の継投ミスを指摘したものの、それより何より最大の敗因は、抑えが脆弱なこと。同点の九回に救援右腕のトライネンが決勝3ランを食らって万事休す。
ドジャースは昨年からの懸案事項だった抑え候補としてオフにFAで2人の投手を獲得した。そのうちのひとりの左腕スコット(31)はここまで56試合に登板して1勝3敗21セーブ、防御率4.82。もうひとりの右腕イエーツ(38)は48試合に登板して4勝3敗3セーブ、防御率5.18。ともに勝てる試合を再三、ブチ壊している。この日のトライネンが象徴するように、それ以外の救援陣もアテにならない。
それゆえプレーオフでは大谷を守護神として起用するプランが球団内部で浮上。選手の起用法に関して実権を握るフリードマン編成本部長は「原則は先発」と明言しながらも、「短期決戦では何があるかわからない」とリリーフ起用も示唆している。
ただし、投手が降板後にDHで出場できる「大谷ルール」の適用は先発投手に限られる。DHとして出場した大谷がリリーフとしてマウンドに上がった場合、その時点でDHを潰すことになるのがネックなのだ。大谷が投げて試合が決着すれば問題はないが、決着がつかない場合はオーダーから外さなければならないとみられていた。
そんな大谷問題に関して、試合後、大きな“進展”があった。大谷自らこう言ったのだ。
「いろいろな人と話をして、当然、そういう(リリーフ起用の)話も出た。リリーフでいくということであれば、外野守備にも就かなければいけない状況もある。どんな状況でも対応できるような準備はする」
外野を守ることによって、打線に残ることはできるし、そのための準備もする。つまり投打の二刀流に、外野守備も加えた三刀流も辞さないということだ。