逮捕・不起訴の佐野海舟、森保J復帰までの「深い苦悩」を読み解く
多くが明らかにならないのは、被害者のことを考えると仕方がない。
が、そのために多くの憶測を生み、それが佐野に対する厳しい批判に繋がっている。
中には「佐野が性的暴行をした」ということを前提とした非難もあるが、それは逮捕当時から情報として一度も流れたことはない。
それでも、ひとたびインターネットで情報が流れると、それが真偽不明であっても、いつの間にか事実のように扱われる。
佐野が非難を最小限に食い止めたいのなら、ずっと海外にいて日本代表に入らなければいい。そうすれば日本国内では目立つことなく、時間が通り過ぎていく。
しかし、佐野は代表復帰を決断した。そして非難されることを承知した上で報道陣の前に立ち、時間制限を設けないで質問に応え、試合後のメディア対応を続けている。
いつもは寡黙で知られる選手が、一生懸命に言葉を紡いでいるのだ。
日本代表メンバーの一員として生きていくと決めた佐野は、今後の態度で「自分自身」を証明していくしかないだろう。と同時にプレーでも自分が日本のトップの選手であることをはっきりと示し続けられないと、誰も彼を見てくれなくなる。