著者のコラム一覧
森雅史サッカージャーナリスト

佐賀県出身。久留米大付設高から上智大。サッカーダイジェスト編集部を皮切りに多くのサッカー雑誌の編集に携わり、2009年の独立後も国内外精力的に取材を続けている。「Football ZONE」「サッカー批評web」などに寄稿。FM佐賀で「木原慶吾と森雅史のフットボールニュース」。「J論プレミアム」「みんなのごはん」を連載中。「日本蹴球合同会社」代表。著者写真は本人提供。

逮捕・不起訴の佐野海舟、森保J復帰までの「深い苦悩」を読み解く

公開日: 更新日:

 多くが明らかにならないのは、被害者のことを考えると仕方がない。

 が、そのために多くの憶測を生み、それが佐野に対する厳しい批判に繋がっている。

 中には「佐野が性的暴行をした」ということを前提とした非難もあるが、それは逮捕当時から情報として一度も流れたことはない。

 それでも、ひとたびインターネットで情報が流れると、それが真偽不明であっても、いつの間にか事実のように扱われる。

 佐野が非難を最小限に食い止めたいのなら、ずっと海外にいて日本代表に入らなければいい。そうすれば日本国内では目立つことなく、時間が通り過ぎていく。

 しかし、佐野は代表復帰を決断した。そして非難されることを承知した上で報道陣の前に立ち、時間制限を設けないで質問に応え、試合後のメディア対応を続けている。

 いつもは寡黙で知られる選手が、一生懸命に言葉を紡いでいるのだ。

 日本代表メンバーの一員として生きていくと決めた佐野は、今後の態度で「自分自身」を証明していくしかないだろう。と同時にプレーでも自分が日本のトップの選手であることをはっきりと示し続けられないと、誰も彼を見てくれなくなる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋