森保監督が38歳の長友佑都を日本代表に招集し続けるワケ…7月の中国戦はラスト通告だった
森保一監督率いる日本代表(世界ランク17位)は、9月の米国遠征で同13位のメキシコ代表(オークランド=日本時間7日午前11時キックオフ)、同15位の米国代表(コロンバス=同10日午前8時37分キックオフ)と対戦する。
8月28日に代表メンバー25人が発表され、1日にJFA(日本サッカー協会)がMF鎌田大地とMF佐野航大、2日にDF菅原由勢の追加招集を発表した。
今回の森保ジャパンに新顔はいない。
最年長選手は9月12日に39歳となるDF長友佑都。歴代2位となる代表143試合出場を誇る。最年少は8月21日に23歳になったばかりのGK鈴木彩艶。
ケガ人続出のDF陣は長期離脱中の冨安健洋、伊藤洋輝、谷口彰吾に町田浩樹、高井幸大が故障者リスト入りして選出外。MFの守田英正、田中碧らを加えた主力級が多く不在の中、すべてJリーグ組で参戦した7月の「東アジアE-1選手権」に続いて7選手が代表入りした。その顔ぶれはGKの早川友基、大迫敬介、DFの長友佑都、荒木隼人、安藤智哉(1日にケガのために辞退)、望月ヘンリー海輝、FWの細谷真大である。
森保監督は、東アジアE-1選手権の初戦ホンコン・チャイナ戦で新たな組み合わせをテストしつつ、彼我のレベルに差があるので攻守ともに形にならなくても、いざとなれば個人の力で押し切る--という戦い方で6-1の大差勝ち。
第2戦の中国戦では先発全員を入れ替え、近年まれにみるガチャガチャとした内容だったとはいえ、2-0の完勝劇。そして優勝をかけた第3戦の韓国戦。森保監督は、定着してきた「3DF」を基本布陣として身長192センチのDF望月を右のWG(ウイングバック)として先発させ、190センチの安藤と186センチの荒木をCB(センターバック)として起用した。
前半8分に先制した日本に対して、韓国は試合が進むにつれてパワープレーに活路を見出そうとしたが、日本の守備陣+望月ヘンリーの長身選手たちがことごとく弾き返し、そのままのスコアで試合を制して優勝した。
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日本代表のチーム関係者から「2022年カタールW杯後に発足した第2次森保ジャパンと現代表の選手選考基準は違う」と聞かされた。
3年前の新チームの基本布陣は「4DF」。SB(サイドバック)には、たとえば長友のような「(身長170センチと)小柄ながらも豊富な運動量で攻守に渡ってアグレッシブに上下動を繰り返す」サイドバックらしい選手が求められた。
現在の森保監督は「3DF」をベースに両サイドのWGにはFWの三笘薫、堂安律、伊東純也、中村敬斗(今回は選考外)といった攻撃面がストロングポイントの選手たちを重用してきた。
そんな彼らとはタイプが違い、守備力を持ち味としながら高身長を武器とするWGとして、森保監督は東アジアEー1選手権に続いて望月ヘンリーを米国遠征の代表メンバーに加えた。
日本代表は、これまでのW杯でリードするたびに相手チームからハイクロス攻撃にさらされ、失点を重ねては負け戦という経験を少なからずしてきた。
高身長のウイングバックが守備陣に加われば、相手のハイボール攻撃に好対応が可能となる。2026年北中米W杯の本番を見据えつつ、米国での望月ヘンリーのパフォーマンスにぜひ注目したい。